病院来院者の気分改善を実験で確認

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待合室に疑似天窓やプロジェクターなどを設置した実証実験=福井県永平寺町の福井大学医学部附属病院

 病院の待合室に、照明を使った疑似天窓やプロジェクターなどで自然を感じられる映像や音を流すと、空間の印象や来院者の気分が改善できることを、パナソニックや福井大学などが実証実験で確認した。福井大学術研究院工学系部門の明石行生教授は「窓のない空間などを利用する人々に癒やしの機会を与えられる」と期待する。

 実証実験は昨年10月から3カ月間、福井県永平寺町の福井大学医学部附属病院で実施した。外から光が入らない外来受付待合室に、縦横64センチの2台の照明で疑似天窓を設置。プロジェクターで床面に青空の木漏れ日など4種類の映像を映し、波や小鳥のさえずりなどの音を流した。

 30~80代の来院者延べ379人にアンケートを実施。さらに「POMS2短縮版」と呼ばれるアンケート方式の心理検査で、気分(緊張や不安、活気など)を数値化し解析した。

 その結果、サメと波の音の組み合わせは「気を紛らわすことができる」、青空の木漏れ日と小鳥のさえずりは「屋外とつながっている感覚になる」との効果を確認した。心理検査では、水面と波の音などにより「活力・活気」の数値が高くなり、気分が改善されることが分かった。実験に関わった同大工学部学生2人が来院者に行った聞き取りでも、約8割が好印象と回答した。

 パナソニックは「病院など待ち時間が長い場所での活用を提案していきたい」としている。