白たまごと赤たまごは何が違う?鮮度の見分け方や栄養価、サイズなど「たまごトリビア」

スーパーの売り場の一角に陳列された、たまご。いくつか種類がある中で、何を決め手に選びますか? 価格、色、サイズ、それとも賞味期限でしょうか。

一見すると、赤たまごの方が価格が高めに設定されていることが多く、その分おいしく栄養価も高いような気がしてしまいますが、それは誤解だといいます。

知っているようで意外と知らないたまごについて、沖縄県にある徳森養鶏場の代表・ノーマン裕太ウエインさんに聞きました。


白たまごと赤たまご、栄養価に違いはある?

「殻の色が白だから赤だからという理由で、たまごの栄養価や味が変わるわけではありません」。ノーマンさんによると、殻の色が違うのは鶏種が違うから。例外はありますが、基本的に白い鶏は白いたまごを、赤い鶏は赤いたまごを産むといいます。

たまごの味や栄養価は、鶏の食べるエサによって決まります。「鶏は食べたものの栄養を直接たまごに反映させるという特徴があります。栄養分が豊富な飼料を与えれば栄養価の高いたまごが産まれるのです」。

殻の色で味や栄養価が決まるわけではないものの、赤いたまごの方が高く売られているのはなぜでしょうか。その理由について、ノーマンさんはこう推測します。

「日本初のブランドたまご『ヨード卵・光』によって、“赤たまごは栄養価が高い”というイメージが定着したため、養鶏業界としても赤たまごの方がブランディングしやすかったというのも一因として考えられるのではないでしょうか」。

“黄身は濃いほどおいしい”は本当?

鶏の食べるエサによって、おいしさや栄養価が変わるたまご。ただ、スーパーに陳列されたたまごを見て、鶏が何を食べていたのかまで知るのはなかなか難しいはず。加えて「殻を割らずに鮮度を見分けるのは正直難しい」とノーマンさん。

たまごは割ってみてはじめて新鮮かどうかがわかるといいます。鮮度の高さを確認する時に注目するのは、黄身よりも白身。「たまごを割ったときに白身がグッと上がって張りと厚みがあるのが新鮮な証です」。

とはいえ、たまごを割ると白身よりも黄身に目が行く人の方が多いのではないでしょうか。“黄身の色が濃いほど栄養価が高く、新鮮でおいしい”と思い込んでしまいがちですが、実はそうではないとノーマンさんは指摘します。

「黄身の色が濃いから栄養価が高い、おいしいというわけではありません。黄身の色は食べてるエサの配合で変わります。パプリカ、マリーゴールド、唐辛子などを配合すると真っ赤に近い黄身に、逆にお米を多く配合すると真っ白な黄身になります」。黄身の色は人工的に操作することができるのです。

たまごにサイズがあるのはなぜ?

また、たまごを選ぶ時にサイズを気にしたことはありますか?たまごには、SS、S、MS、M、L、LLといった6規格のサイズがあります。

これは「鶏の日齢によるもの」。鶏は1日ひとつ、たまごを産みます。「最初に産むたまごは小さく、日が経つにつれて、だんだんとたまごのサイズが大きくなっていきます」。一羽の鶏からさまざまなサイズのたまごが産まれるのです。

たまごのサイズが大きくなれば、その分容量も増えると思ってしまいますが、増えるのは白身の量だけ。「どんなにサイズが大きくなっても、黄身の量は変わりません」。

鶏は最初のたまごを産むと徐々に産卵率が落ちて、12ヵ月程度で次の鶏と入れ替えになるといいます。


「世界的に見ても“生卵を食べられる”のはすごいこと。品質管理が徹底している日本だからできることなんです」とノーマンさん。加えて、全国にはさまざまな特徴卵が存在するので、たまごを選ぶときは価格だけでなく、そのこだわりにも目を向けてほしいといいます。

私たちの食事に欠かせないたまご。たまごのことをよく知れば、価格や見た目だけで判断することなく上手に選ぶことができそうです。

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