洗面所の床の張り替えにおすすめの床材やリフォームの費用相場を紹介

水回りの床は、水濡れや湿気で腐食したりと何かとメンテナンスが必要。洗面所の床に気になる症状が見られたら、張り替えを検討しましょう。洗面所におすすめの床材・施工方法や、リフォーム費用はどのくらいかかるのかなどの疑問を解決します。

洗面所の床選びで重視すること

洗面所の床をリフォームするなら、新しい床材はこれまでよりもいい素材を選びたいもの。おしゃれな見た目で、お手入れがしやすく、長持ちしやすいと理想です。ここでは、使いやすい洗面所を作るための床材選びのポイントや、注意点を伝えます。

掃除がしやすい

洗面所は水はねしたり、髪の毛が落ちたりと家族が毎日使うため汚れやすい場所です。一方で、風呂上がりや着替えのタイミングでは、素足で床に触れることになります。汚れが溜まりやすいものの、常に清潔に保っておく必要があります。だからこそ、洗面所の床は掃除のしやすさを重視して選びましょう。

床材に汚れの入り込む隙間が少なかったり、汚れが付きにくく落としやすかったりすれば、家事の手間が少なくなります。掃除が行き届いた清潔な床は、インテリアにこだわったおしゃれな洗面所を作るうえでも重要です。

耐水性がある

洗面所の床には、洗面台で使った水や、風呂場で使った水が付着します。毎日のように水濡れが起こるのを想定して、耐水性がある素材を選ぶと安心です。水に強い床材は、見た目の劣化を防ぐことにもつながります。湿気による赤カビや、汚れによる黒ずみや変色、シミが生じると、結果としてお手入れの手間がかかります。水回りに近い場所だからこそ、耐水性を重視してリフォームするよう心がけましょう。

洗面所に使われる床材の種類と特徴

洗面所の床材は、素材により見た目や機能が異なり、施工費用にも差が生じます。理想の洗面所のイメージに合わせて床材を選びましょう。ここでは、洗面所の床材として使われる素材の種類と、それぞれの特徴を紹介します。

クッションフロア

クッションフロアは、ビニール製の床材です。シートのような形状が特徴で、クッション性があります。洗面所の床に必要な機能が充実し、かつ費用がリーズナブルなことから、もっとも定番のおすすめ素材です。

ビニール製で汚れや水に強く、シート状でつなぎ目の隙間が少ないため、簡単に拭き掃除ができます。ほかの床材と比べて価格帯が低く、タイル調などデザインの選択肢が豊富にあるのも大きな魅力です。

一方で、定期的な張替えを前提とした床材であり、耐久性に劣る点に留意してください。なかには天然素材である木材や大理石を模したデザインのクッションフロアもありますが、見た目の高級感を最重視するなら、別の素材も含めて検討しましょう。

フロアタイル

フロアタイルは、塩化ビニール製のタイル素材です。フローリング風からストーン風まで柄やサイズはさまざま。まるで本物のフローリングや石材のようにリアルな質感が魅力であり、デザインや見た目の高級感にこだわりたい方にもおすすめします。テラコッタタイルは外国のような雰囲気になるため人気があります。

機能性が高く、耐水性に優れているのはもちろん、傷が付きにくいのもフロアタイルの強みです。ただし、床材を敷き詰めて施工するため、隙間から水が入り込む可能性があります。また、クッションフロアと比べると価格帯が高く、素材に硬さがある点も理解しておきましょう。

タイル

タイルは陶器製の素材であり、浴室やトイレをはじめとした水回りによく使われます。デザイン性が高く高級感がありますが、ほかの床材と比べて施工費用が高くなる傾向にあることから、洗面所のインテリアにこだわりたい方におすすめです。床材にタイルをチョイスすると、おしゃれでスタイリッシュなワンランク上の空間に仕上がります。また、耐久性の高さもタイルの長所のひとつです。

一方で、タイルは肌が触れたときに冷たさを感じやすく、硬さがあるため転倒に注意する必要があります。近年では、冬場でも独特の冷えを感じにくい寒さ対策がされた特殊なタイル素材も開発されているため、ぜひ検討してみましょう。

タイルについてもっと詳しく知りたい方はこちら
床のタイルは素材・デザインで選ぶ。リビング・キッチン・トイレ・浴室に適したタイルを解説

フローリング

フローリングは、木製の素材です。天然素材ならではの風合いや高級感が魅力で、一般的に住居によく使われる素材ですが、水濡れに弱い「無垢材」タイプは洗面所の床に適していません。濡れた足で床に触れると足跡が残ってしまうことも。

ワックスをこまめにかければ無垢材も長持ちしますが、なかには水回りに適した「複合」タイプのフローリングもあるため、洗面所の床に採用するなら特殊加工を施された水濡れに強いものを選びましょう。

フローリングについてもっと詳しく知りたい方はこちら
フローリングの種類は? 各素材の特徴を解説

クッションフロアは機能的で柄が豊富。自分好みの雰囲気が作れる

洗面所の床には、定番のクッションフロアがおすすめです。ここでは、数あるクッションフロアの柄のなかでも、幅広いインテリアテイストにマッチするデザインを紹介します。

木目調

木材を再現した柄です。基本的にどんなインテリアテイストにも似合いやすく、洗面所の空間をナチュラルな印象に仕上げられます。同じ木材をイメージした柄でも、オーク風、ウォルナット風、ヘリンボーン柄などそれぞれ色合いやパターンが異なり、豊富なデザインがあります。個性的なものでは竹や籐柄なども。清潔感のある仕上がりを求めるなら明るめを、シックに仕上げたいなら暗めを選びましょう。

無地

シンプルな無地のクッションフロアは、カラーバリエーションが豊富で、色合いにより洗面所の印象が大きく変わります。ホワイトなら清潔感のあるピュアなテイストに、アースカラーならナチュラルなテイストに、モノトーンならクールでモダンなテイストにマッチします。流行りの色を取り入れても、価格が安いため気軽に変えやすいです。壁紙や周りのインテリアとコーディネートしやすいのが魅力です。

タイル調・石柄

タイルや天然素材の石材を模した柄のクッションフロアは、洗練されたインテリアコーディネートのアクセントになってくれます。リフォームで洗面所の雰囲気を変えたいときにおすすめです。大理石風のクッションフロアなら、高級感のある印象に早変わり。タイル風のクッションフロアなら、よりデザイン性の高い仕上がりが期待できます。

模様、デザインタイル、パターン

個性的なデザインが豊富で、洗面所のインテリアにおいて主役級の存在感を放つ、模様・デザインタイル・パターンのクッションフロア。空間全体を模様替えするなら、これまでと方向性の異なるデザインの床を選んではいかがでしょうか。人気の北欧風など、幅広いインテリアテイストにマッチするデザインが揃えられているのは、クッションフロアならではの魅力です。

洗面所の床のリフォーム費用相場と期間

洗面所の床のリフォームにかかる費用や工期を紹介します。工事の範囲が全体的か部分的か、状況により相場が変わるため、下記のケースを目安にしてみましょう。

経年劣化や模様替えの場合

洗面所の床のリフォームにかかる費用は、重ね張りの場合で3万~4万円が目安です。工事は最短で半日から1日以内で完了します。張替えの費用は、下地工事を行う場合で5万~12万円、下地工事を行わない場合で4~6万円が目安です。

施工する床の広さや使用する床材にもよりますが、工事は1~3日で完了します。床材の種類によっても費用に差が出やすく、より施工の手間がかかるタイルやフローリングは、クッションフロアよりも費用相場が高額な傾向にあります。

水漏れが原因の場合

水漏れが原因で床をリフォームする場合には、故障している洗面台や配管の修理に加えて、下地の補修などの作業が追加で必要となる可能性があります。場合によっては、大規模なリフォームになることも。

経年劣化や模様替えによるリフォームと比べて、費用が高額になり工期も延びると見込まれます。マンションなどの集合住宅にお住まいなら、工事前に周囲の方への説明を十分に行いましょう。

洗面所の床の張り替え時期のサイン

洗面所には洗面台が置いてあったり、風呂上がりに脱衣所として利用したりと、床が水に濡れやすく湿気が溜まりやすい環境にあります。そのため、住まいのなかでもほかの場所に比べて床が腐食しやすい傾向にあります。一般的な床の寿命に達していなかったとしても、床材に以下のような症状が見られるときは、張り替えを検討しましょう。

  • 黒ずみ、変色
  • 汚れ
  • 剥がれ
  • へこみ
  • きしみ

これらの症状は、洗面所の床を張り替えるサインです。洗面所は家族が身だしなみを整えたり、着替えたりする場所であるため、床をリフォームして衛生的な環境を整えましょう。

洗面所の床の張り替え方法

洗面所の床をリフォームする場合、「重ね張り」と「張り替え」という2種類の方法があります。ここでは、それぞれの方法の特徴や、向いているケースを紹介します。自宅に最適な方法でリフォームしましょう。

腐食や寿命が原因なら「張り替え」がおすすめ

「張り替え」とは、初めに解体工事を行って古い床を剥がしてから、新しい床を張る施工方法のことです。下地となる床材をすべて新しいものに取り替えられるため、洗面所の床が腐食していたり寿命を迎えたりしている場合はこの方法がおすすめです。とくに、水濡れや湿気が原因で床張り替えを検討しているなら、重ね張りでは解決できません。

なかには解体工事がきっかけで、床材の下に生じているシロアリ被害などのトラブルが見つかるケースもあります。腐りの補修が必要なら、DIYは難しいのでリフォーム会社に依頼しましょう。

一般的に、フローリングの床の寿命は10~20年といわれています。しかし、洗面所の床が水濡れなどで腐ると、寿命前でもでこぼこしたり、軋んだりします。上記の年数の目安とあわせて、自宅の床の状態をチェックしてみてください。

雰囲気を変えたいだけなら「重ね張り」で対応できる

「重ね張り」とは、古い床の上に新しい床材を張る施工方法のことです。下地が腐食していなく、リフォームしたい理由が以下のような場合は重ね張りで対応できます。

  • 表面の床材がめくれている
  • 黄ばみや汚れが気になる
  • 雰囲気を変えたい
  • 床が冷たいから冷たくない素材に変えたい
  • 床が滑るから滑らない素材に変えたい

このように、表面的な問題を解決するには重ね張りで十分です。おしゃれを楽しみたい場合にも手軽にできる工法です。すでにある床をそのまま剥がさずに使うため、その分の解体工事は不要。解体工事の費用や、古い床を処分する費用が発生せず、工事の価格を抑えられるのが大きなメリットです。解体工事がないと、施工の時間短縮につながり、解体時の騒音が発生する心配がありません。

重ね張りであればDIYでも作業できます。賃貸の場合は現状の床材に傷や跡がつかないよう、貼ってはがせるリメイクシートがおすすめです。リメイクシートは100均や通販で手に入ります。ただし、DIYをする場合には、自分で洗面所の洗濯機や収納家具などを移動させる手間がかかり、壁にぶつけてへこみや傷ができないように養生する必要もあります。慣れていない場合は隙間ができて水濡れが生じるなど失敗のリスクを考慮しましょう。

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