アンティークインテリアは、どこか高貴なイメージがあって取り入れたいと考える人も多いです。ここでは、アンティークインテリアとはどういうインテリアを指すのかという基本的なことから、どうすればアンティークインテリアをつくれるのか、コーディネートを上手くするコツやお金を掛けずにアンティークインテリアをつくる方法までをまとめました。
- アンティークインテリアとは?
- インテリアスタイルを決めて家具や雑貨をコーディネート
アンティークインテリアとは?
「アンティーク」という言葉は、フランス語で骨董品の意味を持っています。本来の定義としては、つくられてから100年以上経ったものを指しますが、世の中でいわれる「アンティークインテリア」とは、アンティークを取り入れている部屋や、アンティーク調に似せてつくられたユーズド感があるものが取り入れられている部屋のことを指します。
このことから「アンティークインテリア」と呼ばれるだけでなく、人によっては「ヴィンテージインテリア」と表現する人もいるのです。歴史を刻んでいそうなアンティーク家具や雑貨のある部屋は、落ち着きがある雰囲気や重厚感のある高級な雰囲気をつくりやすく、老若男女問わず幅広い層に愛されるインテリアといえます。
アンティークインテリアといっても、人によってスタイルはさまざまです。アンティークインテリアの中でも、どのスタイルを目指すかによって部屋作りのポイントは異なります。このアイテムさえ置けばアンティークインテリアが完成する、という単純なものではないのです。この奥深さこそが、アンティークインテリアの醍醐味であるといえます。
アンティークインテリアをつくるポイントを厳選
普通の部屋の雰囲気を、がらりとアンティークインテリアに変えるのは難しいと思っている人もたくさんいますが、アンティークインテリアをつくるポイントさえ押さえておけば、誰でも重厚感のあるアンティーク部屋をつくることができます。
部屋の大きな面積を占める、テーブルやチェア、ソファやチェストをアンティークなものに変えると、すぐに部屋の雰囲気が変わることが実感できるのでおすすめです。まずは、部屋の中でも目立つ部分からアンティーク要素を取り入れていくと、少しずつ理想のアンティークインテリアになります。
ここからは、さらに踏み込んだアンティークインテリアのつくり方として3つの例を出しました。自分が理想とするアンティークインテリアに合っているならば、ぜひ取り入れてみてください。
絵画や花を飾って壁紙との雰囲気を合わせる
取り入れやすいアンティークインテリアの一例として、壁紙に合った壁飾りや花を飾る方法があります。ポイントは、壁の色やテイストとの相性を見ながら取り入れることです。絵画そのものの雰囲気も大切ですが、絵画を入れる額を変えるだけでも随分と印象が変わります。
絵画は、近代アートではなく油絵などのタッチに重厚感のあるものがおすすめです。花を合わせたいときは、みずみずしく華やかな生花よりも、シックで落ち着きのあるドライフラワーにすると、よりアンティーク感が出ます。
部屋全体の色を統一して海外製の家具と合わせる
海外製の家具には、日本の家具にないエレガントな印象のものがたくさんあります。部屋全体の色を統一して、海外製の家具と合わせると、手早くアンティークインテリアをつくりやすいです。
白を基調とした部屋であるならば、ゴールドの小物を差し色で使うと、高貴な雰囲気を演出できます。基本となる色は統一しながらも、バランスを見て目を引く小物を置くのがおすすめ。
家の中にある設備は、アンティークなものに交換するとなると費用もかかりますし、それ以上に使い勝手が悪くなる可能性があります。こういった「買い替えが難しいもの」は、アンティーク調にリメイクしましょう。
例えば、キッチンや洗面台といった水回りの設備にタイルを貼ると、一気にアンティーク感が出せます。部屋全体のバランスを見ながら、色や柄を決めてください。狭い範囲なら、自分で施工すれば安くリメイクできます。タイルは、100円ショップでも販売されているので、目当ての色や柄があるかチェックしておくといいでしょう
レンガ調の壁とグリーンを合わせてナチュラルテイストに
古代ローマ時代から使われていたというレンガも、アンティークインテリアにおすすめのアイテムです。本物のレンガを使わなくても、レンガ調の簡単に貼れる壁紙が販売されているので、それを利用して壁をレンガ調に仕上げましょう。
レンガ調の壁に観葉植物などのグリーンをプラスすれば、一気に部屋の中がナチュラルアンティークに早変わりします。ダイニングテーブルに観葉植物の鉢植えを置くのでもいいですし、ソファの横に大きめの鉢植えを飾るのもおしゃれです。
ベッドルームに置きたい場合は、アンティーク調のサイドテーブルを置いてその上にグリーンを飾れば、ナチュラルな雰囲気を取り入れられます。チェアやチェストのように、水がかかったり土が散らかったりしたら困る箇所には、フェイクグリーンを取り入れるのもおすすめ。窓辺にデスクを置いているなら、窓に沿ってグリーンを取り入れてもきれいに仕上がります。
インテリアスタイルを決めて家具や雑貨をコーディネート
アンティークインテリアといっても、さまざまなテイストのスタイルがあります。アンティークインテリアと聞いて多くの人が思い浮かべる西洋アンティークはもちろん、北欧のヴィンテージ家具や雑貨を取り入れた北欧アンティークインテリア、レトロで可愛いナチュラルアンティークインテリアなど、実に多様なスタイルがあるのです。
どのインテリアスタイルを選ぼうか悩むほど幅広くありますが、まずはリビングやダイニングといったひとつの部屋から手をつけていきましょう。ここからは、テイストの異なる6つのスタイルについて、特徴を紹介します。自分の理想のイメージはどのスタイルになるのか、確認してみてください。
フランスアンティークインテリア
フランスアンティークインテリアは、白を基調とした清楚でエレガントな雰囲気のインテリアです。エレガントで優雅な彫刻が入った家具を、1番に思い浮かべる人もいるでしょう。
フランスアンティークの中でも、歴史的背景を元にさまざまな様式に分類できます。ヴェルサイユ宮殿に取り入れられているのはバロック様式で、派手な彫刻にゴールドの装飾を用いることが多く、きらびやかさを強調した雰囲気です。
ガーリーでやさしい雰囲気のロココ様式もあります。ロココ様式は、やさしいパステルカラーを取り入れ、花柄や天使をモチーフとした軽やかで優雅な印象のインテリアが特徴。猫足のバスタブなどを思い浮かべると、イメージしやすいでしょう。
このような様式のほかにも、明るい木味のフレンチ家具を取り入れたフレンチカントリースタイルや、色の濃いダークな木味のフレンチ家具を取り入れたフレンチクラシックスタイルが挙げられます。
フランスアンティークを取り入れる際に、壁をシャビーに塗装しないとそれらしい雰囲気が出せないと思っている人もいますが、普通の壁紙で普通のフローリングでも、フレンチ家具や雑貨を上手に配置すると雰囲気のあるフランスアンティークインテリアが完成するのです。
壁やフローリングまで改造できない人は、フランスアンティーク調の小物をはじめ、アイテムを上手く取り入れてみましょう。お金を掛けなくても、フランスアンティークの雰囲気を出せます。
イギリスアンティークインテリア
フランスアンティークとイギリスアンティークは、似たようなインテリアと思う人も多いです。しかし、曲線美を尊重しているフランスアンティークに比べ、イギリスアンティークでは直線美を意識してつくられます。
シンプルながら、洗練されたフォルムの家具が多いのも特徴。一般的な部屋から、イギリスアンティークインテリアにする場合は、壁紙や絨毯を変えてみると一気に雰囲気が変わります。
レンガ調の壁紙を貼れば部屋の中に重厚感が生まれ、イギリス風の佇まいになるのです。掃除のことを考えて、絨毯は避けたいという場合は、タイル調のシートクッションを敷いてもイギリス感が出せます。
タイル調のシートクッションなら、子どもがいる家庭で食べ物や飲み物をこぼしても、すぐに拭けて染み込まないので使い勝手がいいです。イギリス製の絵画やファブリックなどのアイテムを組み合わせれば、高級なイギリスのアンティーク家具を買わなくてもイギリスアンティークインテリアをつくれます。
クッションのファブリック製品は、それほど高くなく手を出しやすいアイテムなので、レトロなデザインのものをチョイスしましょう。ベッドルームをイギリスアンティークインテリアにするなら、ベッドカバーや枕カバーにもイギリスアンティークの要素を取り入れると、部屋の雰囲気を大きく変えられます。
ヨーロッパアンティークインテリア
ヨーロッパアンティークの部屋を上手くつくるコツは、派手さを極力抑えることです。華やかさをグッと抑えながらも、ソファやダイニングテーブルなど大型家具でリッチさを演出します。
イギリスアンティークインテリアと同様に、直線的なフォルムの家具をチョイスするのがおすすめ。シンプルで洗練されたデザインの家具を使うといいですが、その中でも優雅さを忘れてはいけません。
ファブリック小物のようなアイテムは、柄の入ったものを起用し、上品さと優雅さを演出する工夫をすると、より素敵なヨーロッパアンティークインテリアをつくれます。日本ではあまり取り入れられることが少ないですが、おしゃれなプレートを用意して壁に掛けて飾れば、モダンな空間が演出できて、ヨーロッパアンティークっぽさを存分に出せます。
壁や床まで手を加えられるなら、壁はレンガ調か柄の入ったもの、床には絨毯を敷くと一段とヨーロッパアンティークに近づくでしょう。壁に掛けるタイプの鏡を取り入れるのもいい方法です。
フランスアンティークとイギリスアンティークについて紹介しましたが、ヨーロッパアンティークでは、それぞれのいいところを取り入れても問題ありません。部屋全体のバランスを見ながら、異国情緒あふれる空間を目指してください。
シャビーシックインテリア
とくに女性から人気のあるシャビーシックインテリアは、白を基調としたシンプルでかわいいインテリアの代表です。かわいらしさだけでなく、落ち着きもあるので、大人の女性におすすめしたいインテリアのひとつといえます。
シャビーシックな部屋を目指すなら、くすみ感を大事にしましょう。基本的なカラー構成は白ですが、ドライフラワーやファブリックアイテムを取り入れながら、所々にくすんだ色を入れるとシャビー感を演出できます。
シャビー感のある家具を購入するのが難しい場合は、既存の家具をDIYで塗装するだけでもシャビーシックインテリアをつくれるのです。シャビー感が出るペイントの基本は、古びた感じを出すために「ひび割れ」や「汚れ」「サビ」をわざとつくります。
家具や壁紙、ドアを塗装するとなると勇気が必要ですが、空き瓶や空き缶をペイントするだけでもシャビーな部屋にできるでしょう。100円ショップで木製の写真立てを買ってきて、シャビー風にペイントして部屋の片隅に置くだけでも、雰囲気が変わります。
古びた雰囲気を残しながら、上品さを忘れないようにすれば、優雅なシャビーシックインテリアが完成するでしょう。
シャビーシックインテリアについて詳しくは下記の記事をチェック。
大人かわいい部屋を実現。シャビーシックインテリアとは?
ナチュラルインテリア
ナチュラルインテリアは、素材の質感を生かしながら、あたたかみのある空間が演出できるインテリアです。木のあたたかみを生かしながら、観葉植物なども取り入れて「自然」を演出します。
白い壁に木のアイテムをプラスしてつくられることが多く、明るい雰囲気も出せるので、リビングに取り入れる人も多く、年齢性別問わず人気のインテリアであるといえるでしょう。
部屋が狭く、大きな観葉植物の鉢を置けないときは、ハンキングを使ってカーテンレールからぶら下げるのもいい方法です。キッチンのような清潔さが重要な場所には、土がいらないフェイクグリーンをあしらうといいでしょう。
テーブルやチェア以外にも、壁に飾る額を木製にするだけで、グッとナチュラルな空間になります。家具に色を取り入れたいときは、木製で落ち着いたカラーを選べば、ほかのアイテムと上手く合わせやすいです。
小物を収納するときは、自然素材のものでつくられたカゴを選びましょう。部屋のワンポイントにもなりますし、ナチュラルな雰囲気をつくれます。
ミックスインテリア
ミックスインテリアとは、スタイルにとらわれず、自分の好きな部分を自由に取り入れたインテリアを指します。例えば、ヨーロッパアンティークをベースにナチュラルインテリアをミックスさせると、装飾的なリッチ感を出しながら、観葉植物などの自然のあたたかみも感じられるのです。
ミックスインテリアにすると、ほかの人とは違う、自分だけのオリジナリティあふれる空間がつくれます。自分の好みでさまざまなアイテムを調達してくれば、飽きることなくインテリアコーディネートを楽しめるでしょう。
ミックスインテリアにすると、ひとつのスタイルで固めたときのような統一感には欠けますが、ラフな抜け感を出せます。作り込まれた堅苦しさが出ないので、リラックスできる空間がつくりやすいのです。
また、ミックスさせるスタイルの割合も、自分次第で自由に変えられます。ただし、あまりにゴチャゴチャしすぎてしまうと居心地が悪くなるので、組み合わせは2種類までにしておくことがおすすめです。
もっとも簡単に部屋を変えるためには、普通の部屋の照明をシャンデリアに変えるだけでも、ミックススタイルに片足を入れられます。少しずつアイテムを揃えながら、自分好みの空間にしていきましょう。
アンティークインテリアをコストをかけずに実現するには
アンティークインテリアにする場合、お金がかかるから無理だと考えている人も多いです。確かに本物のアンティーク家具を買おうとすれば、ちょっとしたテーブルを買うだけでも何十万という費用がかかります。
しかし、アンティーク調の小物や雑貨なら数百円から購入できるものもありますし、100円ショップで売られているものを使ってDIYすれば、アンティーク感あふれる家具も作れるのです。
近年流行りのアンティークインテリアは、安い小物を使いながら誰でも気軽に挑戦できる点も魅力のポイントといえるでしょう。できるだけお金をかけず、本格的なアンティークインテリアを目指すコツとアイデアを紹介します。
アンティークのデザインで作られた雑貨や商品を購入する
部屋の中でも大きな面積を占めるカーテンをアンティークデザインでつくられたものに交換するだけで、部屋の中を一気にアンティークな雰囲気に変えられます。アンティーク品は高価な物が多いですが、比較的安価なアンティークデザインの雑貨や小物もたくさん販売されているのです。
「アンティーク調」のものを上手く活用すれば、費用をかけずアンティークインテリアをつくれます。キッチンならば、食器をアンティーク調に変えると食卓の印象が変わるでしょう。
輸入雑貨のお店を利用すれば、日本にはないデザインの雑貨を手に入れることができるので、積極的にチェックしてください。部屋の雰囲気を大きく変えられるアイテムとしては、照明を交換するのもおすすめです。
無機質なシーリングライトを、異国情緒あふれるシャンデリアに交換すれば、グッとアンティーク感が出せます。キャンドル風の小さめのライトも販売されているので、ダイニングテーブルの真ん中に置けばアンティークな雰囲気が出るでしょう。
アンティークインテリアにするなら、家具からこだわらなければという先入観は捨てて、自分のできる範囲からアンティークインテリアを気軽にはじめれば、楽しくインテリアコーディネートができます。
100均グッズや塗装、装飾でDIY家具を作る
どうしても欲しい雑貨が安く手に入らないときは、100円ショップを活用しながら自分好みの家具をDIYしてみましょう。大きな家具をDIYするとなると、なかなか初心者には難しいですが、小物からはじめれば簡単にアンティーク調の家具をつくれます。
100円ショップで買える木製の小さなまな板と、木製のボックスをアンティークワックスでペイントすれば、落ち着いた色味の壁掛け可能な小物入れが完成です。100円ショップの中には、DIYしなくてもアンティーク小物として使えそうな装飾品が販売していることもあるので、行く機会があればチェックしておきましょう。