ついに来た! 噂の「Apple M1」搭載のMacBook Airを試す(初日)

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ついに発売となった「Apple Silicon」ベースの新Mac。ノートはMacBook AirとMacBook Pro、デスクトップはMac miniの計3モデル、いずれも外観こそ従来のMacと大きく変わらないものの、中身は一新されている。本稿ではMacBook Airをチョイス、プラットフォームの変更という観点からその実力を3回にわたりレポートする。

なぜ私はMacBook Airを選んだか

筆者がチョイスしたMacは、ゴールドのMacBook Air。8GBメモリと256GB SSDという構成の、今回発売されたMacBook Airシリーズではエントリー機に位置づけられる製品だ。実際に製品レポートへ進む前に、チョイスの理由を説明しておきたい。

最大の購入動機は、いうまでもなく「Apple M1」を中心とした新プラットフォームを採用しているから。いきなり仕事の道具として、デイリーユースのPCとしてフル回転で使い始めようというのではなく、Intel Macと比べ何が変わったのか、パフォーマンスはどう変化したかを確認することが目的だ。

極端な話、今回に限ってはApple M1が搭載されてさえいればいいが、せっかくだからという気持ちも当然ある。現在スペースグレイのMacBook Pro 13(13-inch, 2019, Two Thunderbolt 3 ports)をメインで利用しているため、ディスプレイサイズが同じでカラバリも変わらずでは、どうしても購入のモチベーションは下がる。機動性を考えればMac miniは選べないし、正直なところTouch Barはなくても困らないので(個人的な見解です)、ゴールドという選択肢があるMacBook Airが候補に浮上したという次第。

それに、今度のMacBook Airは「ファンレス」だ。物理的にファンが内蔵されていないから、どれほどシステムに負荷をかけようとファンは回りようもなく、結果フオーーーンと騒々しい回転音に悩まされることがなくなる。年に1度開腹して掃除する手間を省ける点もいい。熱対策でやや心配なところはあるが、かつてPowerMac G4 Cubeが愛機だった自分としては、おかえりなさい、という気分にさせられる。

MacBook Airに絞り込んだあと、ストレージを512GBにしようかどうかで逡巡したが、当面はIntel Macをメインで使うだろうから、256GBでじゅうぶんと判断。Macにかぎらず、"初物"はなにかと...というジンクスもあるから、Apple M1搭載でノート型で金ピカしかもお手頃プライス! という価格104,800円也のMacBook Airを初代マイApple Silicon Macにノミネートした次第だ。

開封の儀、そして「このMacについて」のチェック

注文したゴールドのMacBook Airは発売日の17日午後に到着、晴れて開封の儀と相成った。梱包はいつもどおり、箱を開けると透明なフィルム越しにディスプレイ裏の大きなAppleロゴが目に飛び込む。裏側にあるフィルムの接着面を外せば、いよいよApple SiliconベースのMacBook Airとのファーストコンタクトだ。

起動手順はIntelベースのMacBook Pro/Airと変わらず、ファンクションキー右端の指紋認証を兼ねたTouch IDボタンを押せばOK。2016年以降のMacは起動音が鳴らない仕様だったが...ああ懐かしや、「ジャーン」という音が(起動音の復活はmacOS Big Surによるものだけれど)。しかし感傷に浸る間もなく、数秒後には言語やWi-Fi、iCloudにTouch IDにSiriにと設定を促されることに。

そうこうするうち、macOSのデスクトップが現れた。もちろん最新のmacOS Big Surだが、「このMacについて」で確認すると、プロセッサ欄に「Apple M1」の文字が。ここでようやく、プラットフォームが変わったのだなあという実感が湧いてくる。なお、以前この画面にあった起動ディスクとグラフィックス項目は姿を消している。

システムレポートへ移り、「ハードウェアの概要」と「グラフィックス/ディスプレイ」画面をチェック。Intelプラットフォームのとき、前者は二次/三次キャッシュなどプロセッサ周りの情報を、後者はグラフィック周りのスペック(VRAMとかMetal対応とか)を確認するために参照したものだが、CPUアーキテクチャの変更と関係しているのか、二次/三次キャッシュとVRAMの情報は表示されなくなっている。

気になる「アプリケーション」画面も確認した。Apple Siliconネイティブのアプリが過半を占めると予想していたが、結果は...「Rosetta 2 Updater.app」1つのみ。それ以外はすべて「Universal」、IntelとApple Siliconの両プラットフォームでネイティブ動作するユニバーサルアプリだと判明した。Terminalを起動して「/sbin/launchd」とかシステム中核のコマンドも確認してみたが、どれもx86_64とarm64eのユニバーサルバイナリで、Intel Mac/Catalinaのときとは様子が一変している。この辺りの事情は、近々連載「OS Xハッキング!」で解説するつもりだ。

まずはアレをテスト...こいつ、動くぞ!?

ユニバーサルアプリやRosetta 2は後日に期すとして、まずはMacユーザのみならずiPhone/iPadユーザも気にしていると思われる「iOSアプリ」の動作を確認してみたい。

アプリの導入はかんたん、というより従来どおりMac App Storeを使えばいい。適当なキーワードで検索すればOKだが、「"◯◯◯"の検索結果」と大書されたすぐ下にある「iPadおよびiPhone App」タブを選択すること。デフォルトでは「Mac App」タブが選択されているので、iOSアプリを検索してもヒットしないじゃないか、と早とちりしてしまうことだろう(経験者は語る)。

ヒットしたiOSアプリは、アプリ名の下に「iPhone対応」または「iPad対応」と表示されるものと、「iPhone(iPad)に対応しています。macOSでは検証されていません」と表示されるものの2種類に分類できる。どちらが表示されるかはアプリの公開設定を行ったときの(App Store Connectの)デベロッパーの設定によるもので、Apple Silicon Macでの動作を保証するものではない。

いずれにしても、見つけたiOSアプリはMac App Storeからそのままインストールでき、iPhone/iPadと同じApple IDアカウントでサインインしていれば購入済アプリの権利を復元できる。その後の扱いはMacネイティブアプリと変わらず、Finderのアプリケーションフォルダに表示されるし、LauchPadから起動することもできる。

ラジオのサイマル配信アプリ「radiko」(Mac App Storeには「iPhone対応」と表示)を試したところ、あっさり動作した。筆者が住む神奈川県のラジオ局はごく当たり前に聞くことができたし、選局などの操作も支障なかった(無意識にトラックパッドをフリックしてしまったけれど)。30分ほど放送を流し続けたが、動作も安定している。MacBook Air内蔵のスピーカーでステレオ放送がそれらしく聞けるものだから、スピーカーの左右分離感に乏しいiPhoneよりユーザエクスペリエンスは上なくらいだ。

ただし、「Pay Pay」(Mac App Storeには「iPhone対応」と表示)はインストールできたものの、表示が崩れてしまいサインインできなかった。「ONKYO HF Player」(Mac App Storeには「iPhoneに対応しています。macOSでは検証されていません」と表示)もインストールは支障なし、購入済アプリの権利も復元できたが、曲がある内蔵ストレージへアクセスできず再生を断念するはめに。

正直、iOSアプリの実行環境としてはまだまだという印象だが、デベロッパーによるMac対応の有無にかかわらず、App Storeからインストールしたものそのまま実行できるというのはかなり衝撃的。UI設計に関する部分や内蔵ストレージへのアクセスなどセキュリティに関わる部分は、開発時点でMacのことを考慮していないのだからむしろ当然、現時点で評価すべき話ではない。

このように、一見変わらないようで大きく変わった「Apple Silicon Mac」。次回、さらなる深みへと突入する。