プロ野球解説者・山﨑武司「精神力の原点は高校時代の寮生活にあり」

東海ラジオ『荒磯親方 横綱人生道』(月19:00~19:15)は、第72代横綱・元稀勢の里の荒磯親方が、相撲道で培った人生観を大いに語る番組だが、11月9日、16日の放送は、大相撲11月場所開催のため、荒磯親方の代わりに、プロ野球解説者の山﨑武司氏がパーソナリティを務める(番組名『山﨑武司 野球人生道』)。

山﨑氏が野球を始めたのは小学2年のときで「当時は男の子が何かやるというときに野球しかなかった」と振り返った。始めた動機も、親から「何かスポーツをやったら?」と勧められたからだそうで「違うスポーツを勧められていたら、ほかのものを選んでいたと思う。自分の意思で始めたわけではない」と、野球を始めた動機が決して積極的なものではなかったことを明らかにした。

中学に入ってからも野球を続けたが、それも「新入生が多くて、野球部も入部希望者が多かったが、たまたま抽選で当たって入部できた。外れたら柔道部に入っていたと思う。今考えると、運命や偶然が重なって野球をやってきた」と、子どもの頃から中学まで、何となく野球を続けてきたということだ。

しかし、高校に入るときには、自分の意志で、名門・愛工大名電を選んだ。だが、中学で注目された選手ではなかったため「愛工大名電からスカウトを受けて入学したわけではなかった」とのこと。ドラフト2位指名でドラゴンズに入団し、複数の球団で活躍するまでの選手になったことを考えると、意外な事実と言えるかもしれない。

そして高校では、めきめきと頭角を現し「頑張ったらプロに行けるかなあ」と思えるところまで技術力・精神力を向上させた。特に、精神力が鍛えられたのは厳しい寮生活。「高校時代の思い出はつらいことしかない」と言い。練習に加え先輩の世話などが大変だったという。

しかし、プロ入りして実績を残し、解説者になった今思うこととして、山﨑氏は「高校で何を得たかなと考えると、強い精神力ではないか。崖っぷちに立たされたとき、土俵際まで追い詰められたとき、もう駄目だなと思って、普通の人なら俵を割ってしまうところを、そこを何とかして『あの高校時代の厳しい寮生活に比べたら、今、悩んでいることなんか、あまり大したことではないなあ』と思いながら、乗り越えてきたという。

「野球人生で、プロに入ってダメだなと思ったときに、高校時代のことを思うと、もう少し頑張ろうという気持ちになってここまで来た。今の人は、やる前から諦めてしまうことが多いと思う。いろいろなことをやって、得意なものとか、突き進みたいものを選んでほしい」と語った。

山﨑武司 野球人生道

放送局:東海ラジオ

放送日時:2020年11月9日 月曜日 19時00分~19時15分

※該当回の聴取期間は終了しました。

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