「DVD=1」『1991谷山浩子コンサートwithねこ森アンサンブル』約30年を経てファン待望の初映像作品DVD化

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 透明な歌声、独特の世界観で根強いファンに愛されながら着実に活動の幅を広げてきた谷山浩子。そんな彼女が1991年、東京・メルパルクホールにて開催したコンサートの模様を記録した初の映像作品がこのほど、待望のDVD化となった。

 じつに30年の時を経て蘇ったその映像は、ファッションや画質(ステージのライティングだろうか?)に、なんとも言えない懐かしさを感じる。それでも奏でられる楽曲は、時代の香りを閉じ込めつつもエバーグリーンな魅力。「森の音楽会」をコンセプトにしたという演出と選曲から繊細な優しさとあたたかさがじんわりと伝わり、思わず笑みがこぼれる。……と思ったら筆者が幼き日に、作り手を知らず口ずさんでいた楽曲が飛び出した! そうか、あの名曲『恋するニワトリ』もこの方だったのか。

 電車のなかという異例のシチュエーション(!)でのインタビューでは、旅をしながらのコンサートの日々を嬉しそうに語る彼女の姿もあった。現在は乳がんを公表し、闘病中とのことだけに、この作品はファンにとっても大切なお守りのような存在になっているのではないだろうか。その才能に改めてスタンディングオベーションを送りつつ、存分な休養と一日も早い快復を心から祈りたい。

(ヤマハミュージックコミュニケーションズ・4000円+税)=玉木美企子