カブス・エプスタイン編成本部長が辞任 契約残り1年を破棄

日本時間11月18日、カブスのセオ・エプスタイン編成本部長(正式な肩書は野球運営部門社長)が辞任したことが発表された。契約はあと1年残っていたが、エプスタインはこれを破棄し、残り1年分の報酬は受け取らない。メジャーリーグ公式サイトのジョン・ポール・モロシによると、エプスタインはフロントオフィスのリーダーが空席となっているメッツやフィリーズに移籍するために辞任したのではないという。なお、エプスタインの後任にはジェッド・ホイヤーGMの昇格が決定している。

2002年オフに28歳の若さでレッドソックスのGMに就任したエプスタインは、2004年に「バンビーノの呪い」を解き、1918年以来86年ぶりとなるワールドシリーズ制覇を達成。3年後の2007年にも再びワールドシリーズを制し、2011年オフに5年契約でカブスに編成本部長として加入し、チームの再建を任された。

5年間でチームの強化に成功したエプスタインは、4年目の2015年にポストシーズン進出、5年目の2016年には「ビリー・ゴートの呪い」を解いて1908年以来108年ぶりのワールドシリーズ制覇を達成。複数の球団でワールドシリーズ制覇を成し遂げたエグゼクティブはメジャー史上5人しかおらず、球史に残る2つの「呪い」を打ち破ったという点からも「将来のアメリカ野球殿堂入りは確実」との声も上がっている。

とはいえ、エプスタインはまだ46歳。来季については家族と過ごす時間を優先し、球界に関わるつもりがないことを明らかにしたが、「来年ではないと思うけれど、いつか球界での第3章をスタートさせたいと思っている」と語り、近い将来にメジャー球団を率いる可能性があることを示唆した。エプスタインが球界復帰の意思を示せば、多くの球団からオファーが届くのは間違いないだろう。

なお、カブスは現在、2021年限りで契約が切れるホイヤーとの契約延長交渉を進めているという。ホイヤーの昇格によって空席となったGMの座を球団内部または外部の人材で埋めるかどうかは、今のところ明らかになっていない。

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