大砲・トマスがナショナルズとマイナー契約 2016年に31本塁打

ダイヤモンドバックスとの6年契約が満了してフリーエージェントとなったヤズマニー・トマスがナショナルズとのマイナー契約に合意したことが明らかになった。野球ライターのフランシス・ロメロが第一報を伝えた。大手移籍情報サイト「MLB Trade Rumors」によると、トマスは日本球界からの複数のオファーを拒否し、一塁手に転向してメジャー再定着を目指しているという。今回のマイナー契約には来春のスプリング・トレーニングへの招待が含まれており、トマスは招待選手からの開幕ロースター入りを目指す。

ナショナルズにとって、トマスの獲得はマイナーの選手層に厚みを持たせる以上の意味はないと見られる。しかし、トマスにとって、ナショナルズはメジャー昇格を狙うのに最適の球団と言える。エリック・テームズ、アズドゥルバル・カブレラ、ハウィー・ケンドリック、ライアン・ジマーマンがいずれもフリーエージェントとなり、正一塁手が不在となっているからだ。また、アダム・イートンとマイケル・A・テイラーもフリーエージェントとなっており、外野でもチャンスがある。

トマスはダイヤモンドバックスとの契約最終年となった今季、メジャーでの出場機会がなかった。昨季は2年ぶりのメジャー昇格を果たし、4試合に出場して6打数ノーヒット3三振。AAA級では102試合に出場して打率.301、29本塁打、82打点、OPS.931をマークしたが、22四球に対して110三振を喫するなど、アプローチの粗い打撃は改善されていない。守備面では左翼手として44試合(スタメン39試合)、一塁手として46試合(同40試合)に出場した。

メジャー2年目の2016年に140試合で打率.272、31本塁打、83打点、OPS.820をマークしたトマスだが、翌2017年は故障もあって47試合の出場にとどまった。2017年オフに当時のデーブ・スチュワートGMとチーフ・ベースボール・オフィサーのトニー・ラルーサ(現ホワイトソックス監督)が解任され、マイク・ヘイゼンがGMに就任すると、チームの方針転換によって出場機会を失い、40人枠からも外された。ヘイゼンのGM就任以降、トマスがメジャーでプレーしたのは2019年の4試合だけ。ヘイゼンにとってトマスの6年6850万ドルという契約は、前政権が残した「負の遺産」となっていた。

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