有権者の関心の高い【医療年金問題】容易に医療機関を利用できない地区はどこか?

2020年は年初から新型コロナウイルスに関する健康管理が求められてきました。

当初はこのウイルスがどのようなものか全くわからない状況でしたが、時間が経過して、ほんの少しずつですが新型コロナがどのようなものであるのかが判明してきています。

ただ、まだワクチン開発までには至っていないので、人が多い場所に出向くことは極力避ける、マスクを着用する、室内の換気を行う、まめに、丁寧に手洗いをする、うがいをするといった対策を継続することが必要となります。

この新型コロナウイルスに関して各都道府県は

1:病床のひっ迫具合(病床全体、重症者用)
2:療養者数
3:PCR陽性率
4:新規報告数
5:直近1週間と先週1週間の比較
6:感染経路不明割合

の6指標を用いて

ステージ1:感染者の散発的発生
ステージ2:感染者の漸増
ステージ3:感染者の急増
ステージ4:爆発的な感染拡大

という4ステージを設定し一定の条件に達すると、人々の行動の一部について、例えば、外出等を控えるように呼びかけを行っています(*1 [https://hazard.yahoo.co.jp/article/20200813](https://hazard.yahoo.co.jp/article/20200813))。

新型コロナウイルスに限らず、体調不良等がある場合に、医療機関で診察を受け原因を把握し、対処することが、体調回復のために大切なことです。

都市部等に住んでいると医療機関を見かけることが多いので、医療機関不足を意識することがあまりないのかもしれませんが、厚生労働省の資料をみると容易に医療機関を利用することができない無医地区*と呼ばれる地区が日本に結構あることに気付かされます。

*正確には、無医地区とは医療機関のない地域で、当該地区の中心的な場所を起点として、おおむね半径4㎞の区域内に50人以上が居住している地区であって、かつ容易に医療機関を利用することができない地区。厚生労働省: [https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/76-16a.html#list01](https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/76-16a.html#list01) より

この無医地区が日本のどの地域に多いのかを色分け地図で表現したものが下記になります。赤が濃い部分ほど無医地区が多いことを表現しています。

この無医地区数がどのように変化してきたのかを厚生労働省の資料で確認してみます。

確かに、厚生労働省の資料を見ると、無医地区は減少しています。医療機関が充実してきているような感じを受けますが、無医地区数が減少した理由を読むと別の理由により無医地区が減少しているような気がしてきます。

無医地区が減少した理由についてグラフ化したものが次のグラフになります。

無医地区が減少した理由でその他を除き最も多いのが、人口が50人未満になった、医療機関への交通の便が良くなったというものが多く、医療機関ができたからというものは少ないのがわかります。

すなわち無医地区の定義から外れるために無医地区が減少する場合が多いという状況なので、統計数値にはあらわれないが、医療を受ける環境が整っていない地区が増えているのかもしれません。

この医療関係に関する問題は有権者が選挙で投票する際に考慮する内容として常に上位に来るものでもあります。

 

高齢化社会が進行していますから、無医地区に関する課題が今後注目されてくるものと思われます。

医療機関が充実している地域に住んでいると、その環境が当たり前のものとして考えてしまいがちで、他の地域では無医地区に関する問題があることすら意識しないことが多いかもしれません。

自分が意識しない問題は、自分には関係ないことであると思いがちですが、なんらかの事情により多くの人には見えない、制度の隙間等による重大問題が自分自身に降りかかってくることもあります。

少子高齢社会がさら進行する今後は、現在の自分には直接関係がない事柄でも、自分がその立場になったらどうなるかを少しでも考え、ほんの少しでも行動することは、無医地区問題に限らず自分自身が当事者になった際のセーフティネットになります。

選挙で投票する際に、この点について重きを置く候補者、政党に投票してもいいかもしれません。

今回は年齢層が若かったり、健康状態が保たれていたり、都市部に住んでいたりするとあまり意識することのない無医地区に関する話題を取り上げてみました。

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