長崎市長「核禁批准を」 20日、外務省などに要請へ

 長崎市の田上富久市長は17日の定例記者会見で、20日に松井一実広島市長と共に外務省や各政党などを訪問し、政府が早期に核兵器禁止条約に署名・批准するよう要請すると発表した。
 鷲尾英一郎外務副大臣をはじめ、公明党の山口那津男代表、核兵器廃絶に取り組む与野党の各議員連盟の代表者らを訪ねる。来年1月22日に発効する核禁条約の批准と、それまでは締約国会議にオブザーバーとして参加することを求める。
 田上氏は「これから中身を育てていく条約であり、日本も加わってほしい。国会議員には活発な議論をお願いしたい」と語った。
 一方、広島の「黒い雨」訴訟に関連し、援護区域を見直すため16日に初会合が開かれた国の有識者検討会について、被爆地域の拡大是正と長崎の「被爆体験者」の救済につなげる上で「突破口の一つになる可能性がある」と期待を示した。
 係争中の被爆体験者訴訟は黒い雨訴訟と同様、援護区域の線引きや内部被ばくが争点。田上氏は有識者検討会で長崎関連の検討も進むよう国に働き掛けを続けるとし、被爆体験者の救済へ「別の突破口も含めあらゆる可能性を追い求める」と話した。

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