感染者数過去最高および3連休目前でも「移動自粛、必要と考えてない」 加藤官房長官

(写真出典:首相官邸ホームページ)

 18日の新型コロナ新規感染者数が日本全体で初めて2200人を越え、さらに今週末に今年最後の3連休を迎えるとあって感染爆発が懸念される状況となっているが、日本政府の感染抑止に対する消極的な姿勢が続いている。この日も加藤勝信官房長官が定例会見の中で、GoToトラベルの一部停止含め、複数回政府の姿勢を聞かれたが、「基本的な感染対策で移動によるリスクは低下できると考えている」と繰り返した。

日本医師会の提言も間接的に否定「一律に自粛を要請する必要はない」

 今月に入ってからの感染者数増加はまだ歯止めがかからず、18日、ついに日本全体の1日の感染者数が初めて2000人を越え、さらに2200人も突破した。人出が予想される21日からの今年最後の3連休が目前に迫る中、感染拡大地の自治体、医療関係者の危機感と切迫感は日増しに強くなっている。

 この日、会見した日本医師会の中川俊男会長は「我慢の3連休」と表現。3連休の外出自粛を呼びかけるとともに「コロナに慣れないでください。コロナを甘く見ないでください」と切実に訴えたが、医療現場の声は政府に届いていないようだ。その後開かれた加藤官房長官の定例会見では、複数の記者から、中川会長の呼びかけについてやGoToトラベルの停止について、また春の「第1波」の感染拡大に直近の3連休の人出が影響していたと政府自身が分析していたことについてなど、さまざまな観点から政府の今後の方針を聞かれたが、加藤官房長官は「現時点の感染状況を踏まえ、県をまたいだ移動について一律に自粛を要請する必要があるとは考えていない」「マスクや3密回避など基本的な感染対策を行えば、移動によるリスクは低減できる」「GoToキャンペーンについては都道府県がそれぞれ判断すること」と答え、現時点では従来通りの方針を維持すると繰り返し言及した。

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