黄金の出汁にすだち麹酢 大阪発・高級鶏すき焼きミールキットを取り寄せてみた!

師走が近づいてきています。例年なら忘年会、クリスマス、お正月と楽しい宴会の予定がそろそろ入ってくる時期です。しかし、11月に入り、新型コロナウイルスの感染者数が再び増加傾向となり、年末年始の宴会はかなり抑え気味になりそうです。せめて自宅で贅沢し、自分や家族への労いをしたいものです。

そんな中、各飲食店からは「自宅で楽しめるミールキット」が続々と販売されています。特に高級ミールキットが売れているようですが、その中でも「1年間に2万杯以上を売り上げた親子丼の店」として知られる大阪の「蕎麦、地鶏と鴨、発酵料理の店 鼓道(以下、鼓道)」より「淡海地鶏の鶏すき焼きセット(2人前・税込5980円・送料別)」を取り寄せ、試食してみました。


蕎麦、発酵料理、鴨、地鶏の専門店が発売するミールキット

「鼓道」は、大阪郊外の豊中市と吹田市に2店舗を展開する高級料理店で、昼は蕎麦と発酵料理、夜は鴨と地鶏の発酵料理を提供しています。特にお店評判の「極・親子丼」は1年間に2万杯以上も売り上げたそうです。

同店では複数のミールキットの通販を行っていますが、「1年間に2万杯の親子丼」と聞いていたので、「これなら絶対に鶏が良いだろう」と「淡海地鶏の鶏すき焼きセット(2人前・税込5980円・送料別)」を注文。

「鶏すき」というのも珍しいし、ミールキットの中にはお店お勧めのすだち麹酢も同梱されているそう。発酵料理のお店によるものなので、これも期待できそうです。

「鶏すき焼きセット」の気になる中身とは

注文してから数日後、クール宅急便で届きました。冷え冷えの袋を開けると、中には高級感溢れる黒い箱に白い文字で「鼓道」の力強い印字。さっそく開けようとしましたが、どうやって開けるのかがわかりません。箱の表面を触っていたところ、この箱はカバーであり、横にスライドさせると、手前から開閉する箱本体が出てきました。こちらには、金箔による印字がされています。

力強い楷書で店名が書かれた黒い箱

箱を開けると、冷凍されたミールキットがあり、その手前には手書きの「お召し上がり方」がありました。「鶏すき」というものを食べたことがなかったのですが、「鍋」と考えれば、作り方はおおよそ想像がつきます。しかし、高級食材を使ったミールキットを「絶対に美味しく食べていただきたい」というお店側の思いが、この手書きの「お召し上がり方」に現れ、自ずと「丁寧に作らなくてはいけない!」という気持ちにさせられます。

これが手書きの「お召し上がり方」。全体はコピーではあるものの、筆書きでの名前書きもまたお店の思いが伝わってきます

こちらが中身。「もも肉スライス(10枚=150g)」、「ムネ肉スライス(10枚=150g)」、「すき焼きタレ(200cc)」、「すだち麹酢(20g)」、「昆布だし(600cc)」という内容です

レンジ解凍厳禁。解凍には時間をかけて

鶏肉は火が通りやすいようスライスされていますが、色が濃く、いかにも濃厚な味がしそうです。これは「鼓道」が採用している滋賀県・川中さんの「淡海地鶏」という高級銘柄鶏で、前述の「1年間に2万杯以上を売り上げた親子丼」にも使われています。

また、昆布だしの色も黄色い艶を出しており、神々しい印象さえ持つほど。昆布だけでここまで黄色くさせているのだとしたら、相当な量を使い丁寧に出汁を取っていることがわかります。

割り下の匂いも上品で、すだち麹酢も程よい柑橘感が漂いました。先入観で「大阪のグルメ」と聞くと、大勢で楽しく食べる庶民的な料理が多いイメージを持っていましたが、「鼓道」のミールキットは、細部までこだわり抜き繊細に作られていることがわかりました。

すぐにでも食べたくなりましたが、凍っています。「もう電子レンジでチンするか」と思いましたが、「レンジでの解凍はなさらないようお願いします」との記載が。お店のお勧め通り流水解凍をし、しばし待つことにしました。

鶏肉も流水解凍中。スライスされている分、鶏のほうが早く解凍できました

鶏のふくよかな風味と、奥深い出汁、すだち麹酢のハーモニー

昆布だし、鶏肉とも解凍が済んだところで、パックを開けて、改めて鶏肉に注目。ムネ肉、モモ肉とも薄く鶏皮が残されており、食感の楽しさを表現させながら良い出汁が出るよう工夫されています。

↑手前がムネ肉、奥がモモ肉。いずれも一般的な鶏肉とは違う色、艶があります

さっそく「お召し上がり方」にあった通り、野菜類と昆布だし、割り下を鍋に入れ、沸騰しないよう丁寧に火をかけていきます。この時点で昆布だしの上品な香りと野菜の優しい出汁が合わさり、匂いを嗅ぐだけでも体が温まるような気分になります。

鍋の出汁、野菜にしっかり火が通ったところで鶏肉をさらっと入れていただきます。

出汁、野菜に火が通ったところで鶏肉を投入

もも肉は見た目通り、コクのある濃厚な味でした。かと言ってくどいわけではなく、特に野菜類と一緒にいただくと、これまでには味わったことがないような絶妙なハーモニーを生み出してくれました。

一方、ムネ肉はすぐに火が通ってしまうため、固くならないよう意識しないといけませんが、それさえ怠らなければ、程よい弾力と奥深い風味を楽しむことができます。さすが「2万食」の鶏、一般的な鶏肉とは明らかな違いを感じる逸品です。

しかし、鶏肉の美味しさに感動しているだけではいけません。忘れてはいけないのがすだち麹酢の存在です。

↑最初はシンプルに楽しみながら後半ですだち麹酢を投入

投入前に嗅いだすだち麹酢は、柑橘度が薄めでありながらも、奥深い味を静かに主張する印象でしたが、実際に入れてみると、これもおおむね間違っていませんでした。

入れる前までの鶏すきの味は極めてシンプルで贅沢なものでしたが、鍋の後半ですだち麹酢を入れることで、また違った個性を生み出してくれました。

高級料理店の味を、家庭で味わうことができる贅沢さ

正直「特別な鶏を使っているのはわかる。でも、それさえ手に入れば、家庭でも作れるのではないか」と思っていましたが、「鼓道」では、鶏肉以外の出汁、割下、すだち麹酢などの脇役にも繊細な工夫がなされており、家庭鍋とは明らかに違うことを痛感させられました。

2人前で、税込5980円・送料別なので「良いお値段」ではありますが、家庭では味わえない味、大阪まで行かないと味わえない味。ご興味を持たれた方は是非お取り寄せされてみてはいかがでしょうか。

また、「鼓道」では本商品のほかに、「極・特上親子丼ミールセット(4食分・税込5000円)」「紀州鴨の鴨鍋セット 2人前(税込6800円)」など様々なお取り寄せミールキットを販売しています。「鶏すき」でこれだけ美味しいのだから、ほかのミールキットも絶対に美味しいのだろうなと思いました。

「Go To Eat キャンペーン」という斬新な施策はあったものの、感染拡大も再燃しつつある今です。結果的に今後も外出しにくい状況が続くと思われますので、外食を我慢した分、高級ミールキットをお取り寄せし、家庭で贅沢を味わうのも良いかもしれませんよ

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