キッチン吊り戸棚の収納アイデア。収納ボックスの選び方、人気の昇降式吊り戸棚についても解説

食器や調理器具、調味料など、何かと道具が多いキッチン周り。調理をスムーズにするためにも、収納の工夫は大切です。そこでうまく活用したいのが、天井下の吊り戸棚。アイテムを使って上手に分類することで、高く奥行きがある吊戸棚でも取り出しやすい収納が実現します。ここでは、キッチン収納の吊り戸棚活用についてのポイントを紹介します。

吊り戸棚に賢く物を収納するアイデア

食器、調理器具、調味料など、食品の常備品からストックまで、キッチンはさまざまなアイテムであふれています。入れ替えが激しいものもあり、工夫して分類・収納しなければ散らかりやすいのが特徴です。常に整理されたキッチンであるために、吊り戸棚収納のポイントを押さえることが大切です。

収納物は、なるべくコンパクトにまとめ、欲しいときにいつでも取り出せるように工夫をします。上段・下段それぞれ収納物を明確に分け、ラベル付きボックスを使って管理しましょう。以下では、上段・下段別収納方法のコツを解説します。

【上段】使用頻度が低く、軽い物を収納

上段は手が届きにくく、すぐに取り出したいものや頻繁に使用する道具の収納には不向きです。そのため、上段には使用頻度の低いもの、例えばお正月の重箱やキッチン用品のストックなどをまとめて上段へ収納しましょう。使用頻度の低いアイテムは、置き場所を忘れてしまいがちですが、場所を決めておけば忘れることもありません。

もうひとつ気を付けたいのが、重いものを置かないことです。缶詰や鍋、ビンの詰め物類などを上段から取り出す際に万が一落下した場合、破損やケガの恐れがあります。使用頻度が低くても、これらは上段に置かないようにしましょう。

取っ手付きケースやファイルボックスに消耗品をストック

奥行きのある吊り戸棚の活用には、ボックスを使用した「引き出し」収納がおすすめ。手前に引き出すだけで奥のアイテムが簡単に取り出せる

吊り戸棚収納で押さえておきたいのが、「直置き」しないこと。直置きすると、手が届きやすい手前の物ばかり使用して、奥の物がいつまでも放置されてしまいます。この事態を回避するために、100均や無印良品の取っ手付きケース、ファイルボックスを活用しましょう。「引き出し」ができて、奥のものも手軽に取り出せるようになります。

もうひとつのポイントが、カテゴライズ収納です。どのボックスに何が入っているかを明確にするために、見えやすい場所にラベルを貼ります。これは中身の使用頻度に関係なく貼ります。ストック品の管理もしやすくなり、家事の時短にもつながります。なお、ラベルを貼るボックス収納のコツは、下段の場合でも同じです。

【下段】使用頻度が高く、重い物を収納

食器やコップなど、頻繁に使用するキッチンアイテムは、下段の収納におすすめです。また、お鍋や缶詰など重い物の収納にも向いています。こちらでもラベル付きの収納ボックスを活用しましょう。この工夫により、賞味期限や使用期限の早いものから順に消費できるようになります。上段も下段も、コンパクトにまとめて取り出しやすくするのことが収納のポイントです。

お皿は「立てて収納」するのがコツ

お皿は重ねてしまいがちだが、下にあるものを取り出す際に落としたりする危険性が。立て置きにすると見栄え良く、出し入れもスムーズに

お皿を収納する際は、重ねるのではなく「立て置き」で並べましょう。ここで役立つのが、ディッシュスタンドです。サイズ違いの収納も楽になり、見栄えも良くなります。100均でも手軽に入手できる、おすすめアイテムです。

立てて収納すると出し入れがしやすいうえに、ガチャガチャ音を立てることもなくなり、お皿を傷つけるリスクも減ります。あまり使わないお皿などは、ボックスに入れて上段で保管しましょう。

ディッシュスタンドにはさまざまな種類があります。機能的にすぐれた製品もあれば、デザイン重視のタイプもあります。吊り戸棚収納では、食器の枚数やスペースに合わせて選ぶことが大切です。大きなものは大容量で便利ですが、窮屈になると取り出しにくくなってしまいます。出し入れのしやすさも重視しましょう。

すき間のスペースまでラックを吊り下げて最大限に活用

人数が多い家庭などでは、上段下段をどれだけ工夫して収納しても、既存の吊り戸棚だけでは収まりきらないことがあります。この問題に対処できるのが、吊り戸棚にラックを後付けして収納スペースを拡張させる方法です。デッドスペースを上手に活用することですっきり整理できます。

ラックの後付けは、吊り棚の底板を活用する方法などが簡単でおすすめです。DIYが得意な方は、新たに棚を取り付けることもおすすめです。タオルやおやつ、キッチン用品のストックなど、収まり切れなかった物の収納スペースを確保できます。状況や棚のタイプに合わせて利用しやすい方法を選びましょう。

吊戸棚の下に「まな板収納」に便利

kaiteki.kurashiさんのインスタグラムより

吊り戸棚の下は、まな板を収納するスペースとしても便利です。吊り戸棚の種類によっては、底板の下にまな板を収納できるタイプもあります。その際は専用のラックを購入する必要があります。まな板は雑菌が繁殖しやすいアイテム。

湿気を避け、風に当てて保管するのがおすすめです。吊り戸棚の下は風通しのいい場所のため、取り扱いが難しいまな板も衛生的に管理できます。まな板の置き場所に困っている方は、ぜひこの方法を試してください。

「昇降式吊り戸棚」へのリフォームもおすすめ

吊戸棚は天井下に設置された戸棚のため、人によっては手が届きにくく、中が見えづらいこともあります。踏み台を使うのも面倒です。そんな問題を解消するのが「昇降式吊り戸棚」です。電動もしくは手動で戸棚の上げ下げが可能なため、使い勝手は各段に向上します。既存の吊戸棚が使いづらい場合は、昇降式タイプへのリフォームも検討しましょう。

手動昇降式と電動昇降式がある

昇降式吊り戸棚は手動タイプもありますが、人気なのは電動タイプです。電動タイプの昇降吊り戸棚は、「プッシュムーブタイプ」(電動昇降)と、「オートムーブタイプ」(自動昇降)に大別されます。

プッシュムーブタイプは、昇降のときボタンを押し、停止させるときはボタンを放すといった要領で動かします。オートムーブタイプは、ボタンを押すだけで自動的に昇降と停止が可能となる、便利なタイプです。

ボタンひとつで収納アイテムの出し入れが可能で、手を伸ばしたり踏み台を使う手間が省けます。その一方で、昇降スピードを調整できずベストな位置に降りてくるまで待つ必要があるなど、いくつか注意点もあります。

DIYで手動タイプを取り付けるよりも、電動式吊り戸棚をリフォーム設置するほうが、費用が高くなります。費用面を見てもデメリットを上回るようなメリットを感じられるかどうか、リフォーム業者と相談しつつ、総合的に判断しましょう。

吊り戸棚としての機能

昇降吊り戸棚は、機能によってもいくつかの種類に分けられます。機能の違いでは「収納棚タイプ」「水切り機能付きタイプ」「食洗機・乾燥機能付きタイプ」に分かれます。さらに、それぞれの機能を合わせたタイプもあるため、用途や目的に沿って選ぶことが大切です。

収納棚タイプ

こちらは収納に特化したタイプとなります。常温野菜や調味料、キッチンペーパーのストックなどの保管におすすめです。重たい物の取り出しもこれひとつで楽になります。

水切り機能付きタイプ

水切り機能が付いたタイプは、お皿やグラス、茶碗やお椀などの食器類の保管におすすめです。これとは別に水切りと収納を組み合わせたタイプもあります。ライフスタイルに合う製品を選びましょう。

食洗機・乾燥機能付きタイプ

便利な食洗機能や乾燥機能付きといったハイスペックタイプもあります。こちらは収納・水切りタイプに機能を追加する形で選ばれています。グレードの高い製品は、家事効率アップを大きくサポートします。

その分コストも高くなり、同時にリフォーム業者の選定も重要となります。費用や設置後の使い勝手、製品選び、アフターフォローの有無などは、リフォーム業者によって差があります。信頼できる業者を探し、悔いのないリフォームを行いましょう。

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