ALSOK・NTT Com・京急電鉄、ローカル5Gを活用した警備業務の高度化に関する実証実験を推進

犯罪の多様化や体感治安の悪化といった社会情勢の変化を受け、警備に対するニーズが高まっているが、施設警備業務は、生産年齢人口の減少や労務費の高騰などを背景に、これまでのマンパワーを中心とした警備モデルから変革を求められている。綜合警備保障株式会社(以下、ALSOK)、京浜急行電鉄株式会社(以下、京急電鉄)と、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)の3社はコンソーシアムを組成し、ALSOKが総務省から受託した、令和2年度「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証に係る防犯分野におけるローカル5G等の技術的条件等に関する調査検討の請負(遠隔巡回・遠隔監視等による警備力向上に資する新たなモデルの構築)」に基づく実証実験を推進することで合意した。ALSOKは、高度な警備サービスの実現と省人化による効率的な警備サービスの提供を目指し、これまでにも総務省の「第5世代移動通信方式の実現による新たな市場創出に向けた総合的な実証試験」に参画してきた。5Gの特長である超高速・超低遅延通信を生かすことで、防犯カメラの高精度ライブ画像の共有や画像解析による異常検知などの検証を行っている。同実証は、これまでの検証結果を踏まえ、人員不足を補いつつ警備に対するニーズや社会的需要に対応するため、新たな技術の活用による巡回や監視等の警備業務を発展させた「遠隔巡回・遠隔監視等による警備力向上に資する新たなモデルの構築」を目指した実証を行う計画だとしている。具体的には4K映像を用いたドローンやロボットによる自動巡回・遠隔巡回を行うという。また、行動検知AIによる不審行動や歩行サポートが必要な方の自動検知を行うシステム、対処に最適な警備員へ指示を行うALSOKスタッフ等連携システム、及び全ての情報を集約する遠隔統制席を構築する。これらのシステムを用い警備員等への最適指示といった警備プロセスを、5Gの特長を生かし、警備分野におけるローカル5G等の活用策とその導入効果等を明らかにすることを目指すとしている。羽田空港第3ターミナル駅におけるローカル5GシステムはNTT Comが構築し、遮蔽物の多い屋内空間におけるローカル5Gの電波伝搬等に関する実証を実施するという。実証期間は2021年1月からを予定しており、京急電鉄羽田空港第3ターミナル駅で実施される予定だ。

© 株式会社アールジーン