エネルギーあふれる画業の軌跡 「辻司七〇年の絵路」

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70年という長きに渡り、作品にエネルギーや情熱を注いできた画家・辻司の軌跡をたどる「辻司七〇年の絵路(かいろ) ―メアンドロの光芒(こうぼう)―」が宝塚市立文化芸術センターで開かれている。2020年12月20日まで。

撮影:山下 拓也

宝塚市立芸術文化センターは今年4月にオープンの予定だったが、新型コロナウイルスの影響でグランドオープンが8月に延期された。宝塚ゆかりのアーティストをシリーズで紹介する企画展「Made in Takarazuka」の第一弾として、辻司の70年に及ぶ画業の軌跡をたどり、巨匠の全貌を紹介する。

会場には初期の作品から最新作までおよそ60点が展示されている。第1章では自分の個性が見つからず煩悶とするなか、自分の作品が描けたと思えるものが完成するまでの10年間の作品が展示され、本人いわく「具象と抽象の間で悩んでいた時代」を見て取れる。

その後、スペインや西チベット、メキシコなど世界各地を旅した辻は、現地の人々との出会いを通して作品世界を彩り豊かにしていく。菩薩や曼荼羅をテーマした作品には、エネルギーや情熱、そして生命の強さが込められており、見ている人に訴えかけてくるようだ。

アルチ寺の白い菩薩 1998年 油彩・テンペラ
メキシコの生命の樹シリーズ5 animalos talladosの集会樹 2016年 油彩

近年は、テンペラやフラスコなど多様な手法を用いて曼荼羅を描いているという。最新作「菩薩と飛天の曼荼羅」からはあらゆる生命から生まれる“生の喜び”が伝わってくる。

菩薩と飛天の曼荼羅 2020年 フレスコ

辻は会期中の12月に87歳の誕生日を迎える。「過去を振り返るのは好みではなく、どんどん新しい作品も描いていきたい。過去の作品を並べることはなかなかないので楽しんでほしい」と話す。