【先駆者たち・持続可能なくらしへ】-5-「温かなつながり」魅力

宿泊先の瀧川宗利さんと談笑する井上果子さん(右)。日常会話で棚田や水路など集落の歴史も学んでいる=日之影町七折

農山村の文化を再評価する宮崎大准教授 井上果子さん(宮崎市)
 山は所々紅葉し棚田に春菊など冬野菜が育っている。今月初旬、宮崎大地域資源創成学部准教授の井上果子(かこ)さん(46)は日之影町の中川集落にいた。農家民泊を営む瀧川宗利さん(72)宅に時折滞在し研究にいそしむ。ここからオンラインで授業や会議をすることも。「こないだは学生さんを連れて来(こ)らしたよ」と瀧川さんが教えてくれた。
 高千穂郷・椎葉山地域を中心に神楽の継承の在り方を研究している。足しげく通ううち、「農山村の人々は自然に感謝しながら、共同作業や文化の継承に力を合わせ暮らしている」と実感。「環境保全や人間らしい幸せを重視する『持続可能な開発目標(SDGs)』ができる前から、農山村は本質的に取り組んできたといえる」と話す。

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