ロッテ安田は4番ブレークも2選手が戦力外…19年2軍タイトルホルダーの明暗

ロッテ・安田尚憲【写真:荒川祐史】

イ打撃“3冠王”ロッテ安田は今季1軍で113試合出場、ウ首位打者の中日・石川駿ら2選手は戦力外通告

若手たちが経験を積み、1軍昇格を目指すファームの舞台。シーズン終了後には1軍と同様に各部門のタイトルが発表される。ここでは2019年のタイトルホルダーやリーグトップの好成績をマークした選手たちが今シーズンどのような成績を残したのか? 各選手たちの“明暗”に注目した。

昨年イースタンでタイトルを獲得した中で最もブレークしたのはロッテ・安田尚憲内野手だろう。将来の4番候補と期待され、昨季はイースタンでじっくり育成。19本塁打、82打点、116安打でイースタン“3冠王”。今季は開幕1軍入りして7月21日から「4番・三塁」に定着した。熾烈なCS争いとなったシーズン終盤に7、9番で先発することはあったが、113試合出場、打率.221、6本塁打、54打点。ソフトバンクとのクライマックスシリーズでは9打数4安打の打率.444、1本塁打、4打点。来季へ経験を積んだ。

昨年21本塁打、56打点でウエスタン2冠王に輝いた広島のアレハンドロ・メヒア内野手も開幕1軍入り。「5番・三塁」で開幕スタメンを勝ち取ったが、安定した打撃を見せられなかった。7月上旬からスタメン落ちして同24日に出場選手登録を抹消。1、2軍を行ったり来たりして打率.188、2本塁打、4打点にとどまった。得点圏打率.087と勝負強さにも課題を残した。

西武・山野辺翔内野手は29盗塁でイースタン盗塁王を獲得。今季は1軍定着して完走。打率.233、0本塁打、4打点、5盗塁と完全ブレークとはいかなかった。イースタントップの最高出塁率.414を記録した巨人・北村拓己内野手は開幕1軍入り。57試合出場でプロ初本塁打を放ち、打率.227、2本塁打、10打点、出塁率.326。10月下旬に抹消となり、日本シリーズの登録メンバーからも外れた。ウエスタンで最多26盗塁を決めた真砂勇介は8月下旬に1軍昇格して打率.314、1本塁打、6打点、2盗塁をマークした。

一方で、このオフに戦力外通告を受けたのが選手もいる。中日・石川駿内野手は昨季打率.317でウエスタン首位打者を獲得。出塁率.368もリーグトップだったが、今季は腰痛など故障に苦しんだ。1軍では11試合出場、10打数3安打。荒木雅博(現1軍内野守備走塁コーチ)の後継者候補は今季限りでの現役引退を決断した。ウエスタン最多108安打を記録したソフトバンクの育成・田城飛翔外野手も戦力外通告を受けた。

楽天・藤平尚真【写真:荒川祐史】

投手ではロッテ小野ら活躍も両リーグ2冠投手が苦戦、楽天藤平は危険球退場

投手では楽天でイースタン最多14セーブを挙げた小野郁が鈴木大地内野手の人的補償でロッテ入り。開幕1軍入りし、40試合登板、2勝2敗4ホールド、防御率3.23と結果を残した。ウエスタン最多23セーブのオリックス・漆原大晟は2月に支配下登録され、中嶋監督代行となった8月23日に1軍デビュー。22登板、0勝0敗2セーブ、5ホールド、防御率3.42をマークした。ウエスタン88奪三振の阪神・馬場皐輔は32登板、2勝1敗9ホールド、防御率2.08と躍進を感じさせるシーズンを送った。

一方で、防御率2.25、11勝でイースタン2冠に輝いたDeNA・中川虎大は今季1軍で3登板、0勝1敗、防御率7.11と結果を残せなかった。ソフトバンクでウエスタントップの防御率3.02、勝率.667を記録した中田賢一は昨季終了後に阪神へトレード移籍。新天地での活躍が期待されたものの、3登板、0勝2敗、防御率7.59だった。イースタン最多107奪三振、勝率.818を記録した楽天・藤平尚真は7月26日のオリックス戦で今季初登板初先発したが、初回無死二塁で大城の頭部に当ててしまった。1死もとれず、わずか7球で危険球退場。この試合以降の登板はなかった。

タイトルホルダーではないものの、巨人・松原聖弥外野手はイースタン4位の打率.287。7月25日に1軍デビューし、シーズン中盤から2番スタメンに定着。86試合出場、打率.263、3本塁打、19打点、12盗塁と結果を残した。一方で、イースタン2位の防御率2.87を記録した西武の相内誠投手は1軍登板なしで戦力外通告を受けている。スター予備軍のファーム選手だが、やはり1軍の壁を厚いようだ。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2