VR体験などアイデア続々 長大生が原爆資料館の魅力向上策

長崎原爆資料館の魅力向上に向けた提案を発表した後、質問に答える学生=長崎市、長崎大文教キャンパス

 長崎大で核兵器廃絶に関する講義を履修した同大2年の学生34人が12、19の両日、長崎市文教町の同大で、長崎原爆資料館(平野町)の魅力向上策について7班に分かれて研究発表をした。原爆被害だけでなく復興をテーマとする展示スペースの開設や、仮想現実(VR)などで五感を刺激する被爆当時の模擬体験コーナーの新設など多様なアイデアが披露された。
 同大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)の中村桂子准教授が受け持つ講義の一環で、初めて企画。教育学部や経済学部などの学生が同館を視察し長所や課題を整理した。19日は同館職員も聴講した。
 発表では展示写真のうち被爆後の町の写真について、被爆前と現在の写真も新たに加えれば、より被害の大きさを実感できるという指摘や、白黒写真のカラー化などが提案された。
 薬学部の鳥越彩伽さん(20)=長崎市=は、写真共有アプリ「インスタグラム」のQRコードを館内に掲示し、来館者による情報発信の促進などを提案。取材に対し「初めて来館者の様子を観察したが、涙を流して展示に見入る人もいて感銘を受けた。これからも多くの人が訪れてほしい」と話した。

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