【社会人野球】ドラフト指名9選手がプロ入り“前哨戦” 22日開幕「秋の都市対抗」の注目選手は?

トヨタ自動車・栗林良史(左)とJFE東日本・今川優馬【写真:荒川祐史】

東京五輪の日程考慮で例年の7月開催から秋に変更

第91回都市対抗野球大会が、22日に東京ドームで幕を開ける。社会人最高の栄誉のひとつ・黒獅子旗をかけ、全国のし烈な予選を勝ち抜いた31チームに昨年優勝のJFE東日本を加えた全32チームが激突する。

当初から東京五輪の日程を考慮して開催時期が例年の7月から秋に変更されたため、ドラフト会議後の開催となった今大会。10月のドラフト会議で指名された9選手も出場する。高い評価を受けた選手たちが魅せるアマチュア最高峰の戦いに注目だ。

○トヨタ自動車 栗林良史投手(広島1位)
初戦:22日第2試合(18:00開始)、対セガサミー

最速153キロの直球とカットボール、カーブ、フォークで相手打者を翻弄する社会人ナンバーワン投手。昨秋の日本選手権では1回戦に先発し、13奪三振で完封勝利を挙げた。先発完投型の本格派右腕。

○JR東日本 伊藤将司投手(阪神2位)
初戦:25日第3試合(18:00開始)、対三菱自動車岡崎

直球の最速は140キロ台中盤だが、出どころの見にくい投球フォームと多彩な変化球で相手打者を惑わす投球術が一級品の左腕。10月に行われた東京二次予選では、NTT東日本打線を9回1死まで無安打無得点に封じた。

○NTT東日本 佐々木健投手(西武2位)
初戦:27日第2試合(14:00開始)、対JR北海道硬式野球クラブ

最速152キロを誇る左腕。「バットをあれだけ押し込めるとは」と西武の渡辺久信GMをうならせた球威が武器。立ち上がりが課題だったが、救援を経験して克服。昨年の2大大会では結果残せず、雪辱を誓う。

○ENEOS 藤井聖投手(楽天3位)
初戦:23日第3試合(18:00開始)、対東邦ガス

最速150キロの直球が武器の本格派左腕。東洋大時代は同期に甲斐野(ソフトバンク)、梅津(中日)、上茶谷(DeNA)らがおり、活躍の場に恵まれなかったが、入社後に一気に開花した。社会人日本代表も経験。

昨年王者のJFE東日本からは日本ハム6位の今川優馬が出場

○ENEOS(三菱パワーから補強) 伊藤優輔投手(巨人4位)

都立小山台高で3年春に21世紀枠で都立高として初めて甲子園に出場した“都立の星”。中大では入れ替え戦を3度経験し、大舞台での度胸も十分。社会人1年目は抑えとして登板を果たした。

○ヤマハ 池谷蒼大投手(DeNA5位)
初戦:27日第1試合(10:00開始)、対日立製作所

静岡高からヤマハに入社し、1年目から公式戦デビュー。2年目は主に救援でチームのブルペン陣を支えた。174センチと小柄だが、テンポのいい投球で三振の山を築く。

○日本生命 阿部翔太投手(オリックス6位)
初戦:23日第1試合(10:00開始)、対Honda鈴鹿

入社6年目でドラフト指名を受けた28歳の即戦力右腕。国際大会含め経験値は抜群。高いゲームメイク能力を誇り、名門・日本生命をけん引するエース。酒田南高2年夏の甲子園には捕手で出場し、その後投手に転向した。

○三菱自動車岡崎 中野拓夢内野手(阪神6位)
初戦:25日第3試合(18:00開始)、対JR東日本

昨年の日本選手権では3番に座り、チームの4強進出に貢献。オフには台湾冬季リーグ「アジア・ウインターリーグ」に派遣されると、大会最多の26安打を放った。華麗なグラブさばきも魅力。

○JFE東日本 今川優馬外野手(日本ハム6位)
初戦:22日第1試合(14:00開始)、対三菱自動車倉敷オーシャンズ

高校、大学と控えに回ることが多かったが、昨年の都市対抗で「超攻撃的2番」として一躍ブレーク。打率.381と打ちまくり、日本一に貢献した。豪快なアッパースイングと強肩も魅力の右の長距離砲。(安藤かなみ / Kanami Ando)

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