【日本S】鷹・栗原を奮い立たせた1通のLINE 驚異の3安打4打点で1人で菅野を沈めた

ソフトバンク・栗原陵矢【写真:荒川祐史】

日本シリーズ前に届いた今宮健太からのLINE「全国に栗原の名前を…」

■ソフトバンク 5-1 巨人(日本シリーズ・21日・京セラドーム)

ソフトバンクは21日、京セラドームで「SMBC日本シリーズ2020」第1戦を戦い、5-1で快勝した。勝利の立役者は「5番・右翼」でスタメン出場した栗原陵矢捕手。先制2ラン、中押しの2点適時二塁打を菅野から放ち、3安打4打点と大暴れした。

2回無死一塁で迎えた第1打席で菅野が3球続けて投じたスライダーを捉えて先制の2ラン。さらに4回の第2打席で右翼線への二塁打を放つと、6回の第3打席では左中間に2点適時二塁打を放った。巨人のエース菅野から1人で3安打4打点の固め打ち。球界を代表する右腕を1人で沈めてチームを勝利に導いた。

チームを勢いづけた2回の先制2ラン。「シーズン中と変わらず打てるところを待っていた。カウントが有利だった分、思い切っていけました」。2ボールからの3球目。「3球続けてスライダーはないと思っていました。真っ直ぐを打ちにいって、でした」。待ち球とは違う球種だったものの、即座の反応でスタンドまで運んだ。

日本シリーズは2018年に出場経験があるものの、この日が初スタメンだった。「めちゃくちゃ緊張していました。グラウンドに来て白板にあった自分の名前を見た時は楽しむというよりもなんとかしないといけない、と。CSのこともあるし、いろんなことを考えました」。緊張状態にはあったものの、固くなることなく思い切りの良さを発揮した。

無安打に終わったクライマックスシリーズから5日間。1人の先輩からのLINEが栗原の心を奮い立たせた。送り主は今宮健太。故障からの復帰が間に合わずに40人枠からも外れた今宮。文面には「日本全国に『栗原』という名前をアピールしてきなさい」とあった。相手は巨人、舞台は日本全国の野球ファンが注目する日本シリーズ。「その言葉は大きかった。やってやろうと思いました」。固く誓ってこの試合に挑んでいた。

チームは日本シリーズ新記録となる9連勝。昨年からポストシーズンの連勝は13まで伸びた。「初戦は大事とみんな言っていた。その初戦をとれたのは大きい。明日またしっかりやりたいと思います」と栗原。初戦を取ると、日本一確率は64%だ。第1戦で暴れたラッキーボーイ。ソフトバンクの4年連続日本一への使者となりそうだ。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2