バックレ退社→キャンピングカーで車上生活送る30代YouTuber「底辺非正規や名ばかり正社員を続けても未来はないと思った」

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新型コロナウイルス感染拡大の影響でテレワークが普及し、自宅で働く人も増えた。満員電車や出社を避けたいと感じる人も多い。そんな中、キャンピングカーを事務所・自宅として生活をしている人がいる。

NKMRさん(30代男性)は今年1月から"車上生活"を開始し、その様子をYouTubeに投稿している。仕事場と自宅だけでなく、移動手段も一体となったキャンピングカーでの生活。実際どのようなものなのか、キャリコネニュースは話を聞いた。

「キャンピングカー生活のいいところは、どこでも普段通りの生活が営めること」

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NKMRさんが"相棒"と呼ぶ愛車は、レクビィ社のキャンピングカー・キャラバンイゾラ。色々とオプションをつけて総額680万円で購入した。乗車定員は6人で、大人2人と子ども1人が就寝できる。デスクもあり、車内で仕事することも可能だ。

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車内にはFFヒーターや換気扇、ソーラー発電システム、ツインサブバッテリー、コンセントなどが使用できるAC100V入力&充電システム、大容量のポータブルトイレ、温水シャワーなどを搭載。"ワンルーム物件と同等の設備"を目指した。

「キャンピングカー生活のいいところは、どこでも普段通りの生活が営めること、プライバシーの守られた自由な空間であることです。コロナ禍だと密を避けて行動もできます」(NKMRさん)

致命的な不満点は「今のところない」というが、走行・駐車中に良くも悪くも注目されること、そして燃費と走行性能が普通車より劣ることがネックのようだ。また「夏場は地獄」になる。スポットクーラーを導入したものの消費電力や冷え具合に課題があり、「それなりの覚悟が必要」と語る。

キャンピングカーのシャワー・トイレ

排水処理も自分で行わなければいけないので、近くに公衆トイレやフィットネスジムがある場合はそこでトイレ・シャワーを使っている。車上生活を始めてから、「今までいかに電気や水を無駄遣いしていたかに気づきました」と語る。

「PCの電源入れっぱなし、シャワー出しっぱなしにするとすぐサブバッテリーや水タンクが枯渇するので節電・節水を心がけるようになりました。ノートPCは昼間のソーラー発電が効いている時間帯を利用して充電し、夜はバッテリー駆動のみで使用しています」

とはいえ晴天時の日中はソーラーパネルから給電が出来るため、パソコンを充電しながら電子レンジや換気扇を使っても電力に余裕がある。

NKMRさんは車内でテレワークを行うが、「喫茶店やファミレスなどに比べて静かで作業に集中が出来ます」と好感触だ。通信環境もポケットWi-Fiで問題はないが、「山奥や僻地に行き過ぎるとWi-Fiの電波が入らなくなることくらいです(笑)」とのことだ。

理不尽な上司に恫喝をされ「もう付き合いきれない!」 納車を待ってバックレ退社

テレワークもばっちり

キャンピングカーの購入代金は頭金を支払い、残りは10年120回の分割払いにした。現在、毎月4万5200円支払っている。安くはない買い物だが、東日本大震災を経験し「予期せぬ災害が起こった時のために必要」と感じた。さらに、

「以前ブラックな労働環境にいた時、移動や帰宅時間がもったいなく『キャンピングカーに住めば時間を有効に使えるし気分転換になるのでは?』と思っていました。狭いワンルーム賃貸を借りるなら、家賃とほぼ同額のローンを払って車を買って住んだ方が機能的だし面白いなと」

と語る。

しかし、車上生活への移行はスムーズには行かなかった。NKMRさんは氷河期世代で、正社員を目指していたがリーマンショックで派遣切りにあった。その後正社員・非正規として働いても劣悪な労働環境、経営者らへの不信感などで職を転々としていた。

「期間工で働いていた時、上司に理不尽な恫喝をされ『もう付き合いきれない!』とキャンピングカーの納車を待ち、会社をバックレ退社しました。『自分は勤め人には向いていない』『底辺の非正規や名ばかり正社員を続けていても人生に未来は無い』とうつ病を発症しましたが、一念発起して起業しました」

現在は、自営でオーナー業をしている。首都圏に数か所拠点があるので移動が生じること、緊急対応で昼夜問わず急行する時もあり、「今の車上生活は仕事・ライフスタイルにぴったりなんです。お客様や取引先にも珍しがられて喜んでもらえます」と語る。

「最近では大事な商談やミーティングなども車内で行っています。相手にもリラックスして頂け、プライバシーも保てるので『周囲に聞かれたくない話も堂々と話せる』と好評です。コロナ禍で公共交通機関・公共の場所を避けたがる人も結構多いので、送迎・商談・会議がワンストップで行えるキャンピングカーの優位性は非常に高いと感じています」

「今後も『キャンピングカーに住む自由なお兄さん』を気取って行きたいと思います(笑)」

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YouTubeへの動画投稿を始めたのは元々車中泊系Youtuberを見るのが好きで「自分もやってみたい」と思い、今年1月から投稿を始めた。

「実際にキャンピングカーで車上生活を始めてみて、思ったよりも快適で楽しかったんです。その様子を配信して新しいライフスタイルの提案や『こういう生き方もあるよ』ということを伝えてみたかった。ちょっとカッコつけた言い方ですが、いつ死ぬかもわからないので自分の生き様を残しておきたい、というのも少しありました」

コメント欄には「ある意味贅沢かも。景色に変わらない自宅より精神的にいいですね」「このスタイルに切り替えたい」などの声が寄せられている。NKMRさんは「この社会生活に疲弊して『非日常体験』『自由な生活』に憧れを抱いている人も多いのではないでしょうか」という。

「感想の中で特に印象深かったのは、小さな赤ちゃんを持つ働き盛りのお父様からの『寝不足対策でキャンピングカーを離れの寝室として使いたい』、ご夫婦からの『夫婦喧嘩した時の逃げ場として所有したい』というコメントです。私は独身なのですが、これは家庭を持った者にしか見ることの出来ない視点だなぁ……と妙に感心しました」

キャンピングカーに興味があるが、購入に踏ん切りが付かないという人も想像以上に多かったといい、「キャンピングカー生活のおかげで精神的に病むことが無くなり、物事を前向きに明るく考えられるようになりました」と話す。

「アパートや会社の寮に住んでいた時は、週末は疲弊して部屋に引きこもりがちでしたが、キャンピングカーは着替えればすぐに外に出られるので、より能動的な生活が出来るようになりました。『今日は空の色が綺麗だなぁ』『風が気持ちいいなぁ』『あの総菜屋のお弁当美味しいよなぁ』とか日々の小さな幸せを見つけられる、情緒的な感性が芽生えましたね」

金銭面は「支出的にはアパート暮らしの時とそれほど変わらない」のだそう。車上生活費は平均月10万円前後。「毎日外食で飲み食いしてコレですから、節約次第ではもっと下げられるかと」とのことだ。今後については、

「YouTubeを通してキャンピングカーの楽しさや便利さを伝え、多様なライフスタイルの提案が出来ればと考えています。もっとキャンピングカーを盛り上げたいのでそういうお仕事もなにかできれば……。そのためには今後も『キャンピングカーに住む自由なお兄さん』を気取って行きたいと思います(笑)。もちろんキャンピングカーは死ぬまで乗り続けて行くつもりです!」

と語った。