【神奈川】鎮守の森、ナラ枯れから守れ 綾瀬の住民奔走

ナラ枯れ予防にシートを巻き付けた樹木=綾瀬市深谷中5丁目の深谷神社

 被害が急増しているナラ枯れから、鎮守の森を守ろうと、綾瀬市の住民が対策を講じている。

 深谷神社(同市深谷中5丁目)では今夏、境内のコナラの古木が突然枯れ始め、9月に伐採を余儀なくされた。氏子総代が県などに問い合わせた結果、ナラ枯れと分かり、対策を検討した。

 境内にある12本のコナラなどを守るために駆除薬剤を注入したり、ナラ菌を媒介するカシノナガキクイムシの脱出・侵入を食い止めるシートを巻き付けたりする作業を10月中旬に緊急に行った。

 晩秋の風物詩で松に施す「こも巻き」とは趣が異なる光景に参拝者らが戸惑わないよう、2~3メートルの高さまでシートが巻かれた幹には「ナラ枯れ予防対策中」の札も掲示した。

 市によると、市内のナラ枯れは、2019年度は未確認だったが、20年度(10月末現在)は長峰の森54本、城山公園45本など、民有地を除いて総計139本に上っている。

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