消える仏壇。仏壇処分後、「仏壇継続していない」7割。「位牌と遺影は手元に残した」半数

 高齢者世帯は増加の一途だ。買物や通院などの利便性の観点から都市部に転居する高齢者も増加している。高齢者世帯に限らず、引っ越しの際に問題となるのが仏壇の取りあつかいだ。都市部への移転の際には仏壇を設けるだけのスペースを確保出来ないかも知れない。少子高齢・人口減少社会の中で、墓じまいをする者は増加傾向にあるが、仏壇を処分し仏壇の管理を継承しない者も増加しているようだ。しかし、仏壇の処分を行った者の約半数は位牌や遺影を手元に残しているらしい。

 13日に、仏壇等の処分事業を行うリセット愛知が、仏壇の処分を検討している20代から60代の男女120名を対象に11月上旬に実施したアンケート調査の結果レポートを公表している。

 レポートによれば、「仏壇を処分した後に、新しい仏壇を用意して管理を続けているか」と尋ねた結果では、「継続している」と答えた者の割合は28%、逆に「継続していない」と答えた者は72%という結果となっている。仏壇の処分を機会に新しい仏壇を用意して管理を継続していく者は全体の3割にとどまり、7割は仏壇を設けることを止めてしまっているようだ。

 仏壇の処分方法について尋ねてみた結果では、処分を「仏壇店に依頼した」が39%と約4割にのぼり最も多く、「粗大ごみに出した」が18%、「寺院に依頼した」が16%、「仏壇処分専門業者に依頼した」15%、「家と一緒に解体した」9%、「その他」3%という順になっている。ちなみに、「その他」の具体的な内容としては「不用品回収業者に依頼した」、「引っ越し業者に依頼した」などである。仏壇に関してはあまり宗教的な意義を感じていない者も少なくないようだ。

 「仏壇管理を継続しない」と答えた者に「仏壇を処分した時、位牌や遺影はどのように対処したか」と質問した結果では、「位牌と遺影は手元に残した」が47%と半数近くに達し最も多く、次いで「遺影は手元に残した」が17%、「両方処分した」16%、「位牌は手元に残した」13%、「もともと所持していなかった」6%、「寺院に預けた」1%という順になっている。

 自由回答欄には「もったいない気はしたが、引っ越し先に持っていける状況ではなかったので、大変残念だったが仕方がない」(50代、男性)などの記述も見られた。少子高齢化、生活の都市化の中で仏壇を設ける世帯も徐々に減少してきているようだ。(編集担当:久保田雄城)

リセット愛知が仏壇処分についてアンケート調査。仏壇を処分した後に「仏壇の管理を継続していない」72%

© 株式会社エコノミックニュース