【今週の気になるニュース】F1バーレーンGPで2021年用タイヤをテスト。新型コロナ感染のイゾラは帯同可能なのか

 第14戦トルコGPが終了した直後に、F1は再びコロナ禍に陥った。11月17日に報じられた『ピレリの現場責任者マリオ・イゾラ、F1トルコGPで行われた新型コロナ検査で陽性に。現在は隔離中』によれば、F1にタイヤを供給するピレリのレーシングマネージャーを務めるマリオ・イゾラが、F1が定期的に行っている新型コロナウイルス検査(11月15日に実施)の結果で、陽性となっていたことが判明。隔離に入ってはいるものの、現在症状は出ていないという。

 最近では、ウイリアムズのチーム代表代理を務めるサイモン・ロバーツが、11月11日の定期検査で新型コロナウイルス陽性であることが判明。その前は体調不良で第11戦アイフェルGPを欠場していたランス・ストロール(レーシングポイント)が帰宅後の10月11日に自宅で検査を受け陽性となっていた。

 ロバーツの陽性が判明したのがトルコGP開幕2日前だったため欠場を余儀なくされたのに対して、ストロールは次のグランプリまで2週間あったため、10日間の自主隔離を経て、ポルトガルGPから復帰した。

 今回のイゾラの場合も次のバーレーンGPまで2週間のインターバルがあり、本人もツイッターで「すべてのメッセージに感謝します。私は元気ですし、幸いなことに症状はありません!」と報告しているように無症状のようなので、10日間の自主隔離を経て、バーレーンGPから現場復帰する可能性は高い。

2020年F1第14戦トルコGP金曜会見 マリオ・イゾラ(ピレリ レーシングマネージャー)

 ただし、新型コロナウイルスに関する医療ガイドラインは、国や地域によって異なるため、バーレーンが10日間の自主隔離で入国を許可するかどうかは不明だ。

 仮に10日間の自主隔離で入国が許可された場合も、入国時にバーレーンでPCR検査が行われるはずで、そこで陽性と判定される可能性がないわけではない。したがって、ピレリは組織として、イゾラに代わる人物を準備して臨むことになるだろう。

 というのも、ピレリにとってバーレーンGPは重要なグランプリとなる。それは2021年に投入する新しいタイヤの最終テストが実施されるからだ。

 ピレリは第12戦ポルトガルGPでも2021年へ向けたタイヤテストを行っていた。このテスト自体は有意義なテストだったが、イゾラによれば、「ポルトガルGPでは全員が同じスペックのタイヤをテストしたわけではなかった。ポルトガルGPのテストを受けて、我々が2021年に投入するベストだと思われるスペックをバーレーンGPに持ち込み、今度は全員が同じスペックのタイヤをテストする機会を設けたかった」と、バーレーンGPでテストする理由を語っている。

 バーレーンに持ち込まれるタイヤは、コンパウンドは今年と同じだが、フロントとリヤのコンストラクション(構造)が新しく、特にフロントのプロファイルに大きな変更が加えられているという。

 バーレーンGPでは角田裕毅がアルファタウリ・ホンダから金曜日のフリー走行に出走すると噂されている。もし、それが実現すれば、角田が2020年型F1マシンで最初に履くタイヤが2021年用のテストタイヤになるかもしれない。

2020年F1ポルトガルGPで来季用タイヤテストを行うマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

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