再建期のレンジャーズ エース右腕・リンの放出を検討か

メジャーリーグ公式サイトでレンジャーズの番記者を務めるT・R・サリバンが「現実的にはレンジャーズが再び優勝争いをするまでに少なくとも3年は必要だ」と述べるように、現在のレンジャーズはチーム再建の真っただ中にある。新球場グローブライフ・フィールドがオープンした今季はリーグ最低勝率に終わり、投打とも戦力不足は明白。そんななかで、来季限りで3年契約が終了するエース右腕、ランス・リンをトレードで放出する可能性が取り沙汰されている。

現在33歳のリンは、カージナルス時代の2012年にマークした18勝を筆頭に2ケタ勝利7度の実績を誇り、メジャー9年間で通算104勝を記録。レンジャーズ移籍1年目の2019年は自己最多の208回1/3を投げて16勝11敗、防御率3.67、246奪三振の好成績をマークし、今季も両リーグ最多タイの13試合に先発して両リーグ最多の84イニングを投げ、6勝3敗、防御率3.32、89奪三振とエースに相応しい成績を残した。

今オフの先発投手市場は、マーカス・ストローマン(メッツ)とケビン・ゴーズマン(ジャイアンツ)がクオリファイング・オファー(年俸1890万ドルの1年契約)を受諾して残留することを選択したため、サイ・ヤング賞右腕のトレバー・バウアーに次ぐ「2番手グループ」の人材が不足気味。レンジャーズがリンをトレードで放出することを決断すれば、予想以上の人気物件となる可能性を秘めている。

レンジャーズが来季優勝争いに加わる可能性が限りなく低いことを考えると、このままリンをキープしておくのは「宝の持ち腐れ」となってしまう。チームの将来のために複数の若手有望株との交換でトレードしてしまうのが得策だろう。なお、3年3000万ドルでレンジャーズに加入したリンの来季の年俸は800万ドルと格安。この値段でエース級の右腕が手に入るとなれば、多くのチームが獲得に動くことが予想されるため、レンジャーズは上質な有望株を手に入れることができるかもしれない。今後の動きに注目だ。

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