黒石・旧大黒デパート 本体解体着手21年度/23年度複合施設オープン計画/市民、活性化に期待

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解体作業が進んでいる旧大黒デパート=21日午後、黒石市市ノ町

 閉店後に長年放置され、廃虚状態となっている青森県黒石市市ノ町の旧大黒デパートの解体作業が進んでいる。市は跡地に市役所窓口機能や、子育て支援などの市民サービス機能を組み込んだ複合施設を整備する計画で、工事が順調に進めば、含有が判明しているアスベストの撤去作業を2020年度内にも終え、21年度からは旧大黒本体の解体に着手したい考えだ。

 黒石商工会議所などによると、旧大黒デパートは1970年に地元の中小企業で組織する「協同組合大黒」が「協同組合大黒ショッピングセンター」として開店。75年には隣接地に「まるよし亀屋」がオープンした。市郊外に出店した「ジャスコシティ黒石」に対抗するため、96年に二つの建物を合体して増築・改装し「ふれあいストリート大黒」としてリニューアルしたが売り上げは低迷。2005年6月に閉店した。

 開店当初は中小小売店が共同で店舗を構える「寄り合い百貨」の成功例と言われた。結婚式を挙げることもできる宴会場や、ボウリング場、カラオケ、ゲームコーナーなどもあり、市民に地元のデパートとして親しまれた。市内の50代女性は「小さい頃から市民の生活や娯楽の場であり、一緒に歩んできた思い出の場所」と語る。

 旧大黒は地上4階、地下1階建てで延べ床面積1万2954平方メートル。10月上旬から工事に入った。これまでに市が身体障害者などの駐車場として活用することを想定し土地と建物を取得した、南側に隣接する旧食堂「長崎家」(11年閉店)を解体。旧大黒の建物内から商品の陳列ケースなどの備品を搬出するなどした。

 アスベストの撤去工事は飛散を防ぐ措置を取りながら年内にも始め、終了後に建物の本格的な解体に着手する。解体工事費は6億890万円(税別)で、複合施設の整備費と合わせた総事業費のうち、3割ほどは国の補助金を活用する。

 21年度内に解体完了、23年度に複合施設がオープンする計画で、近くの住民らは市街地の活性化に期待する。呉服店を営む竹谷稔さん(75)は「こみせ通りや金平成園とつながりを持たせ、中心市街地に少しでも昔のにぎわいが戻れば」と願う。70代男性は「アスベストに気を付け、安全に工事をしてほしい。新たな施設に市役所の機能が入れば、若干ながら活気は戻ると思う。どういう構造の建物が建つのか早く知りたい」と話した。