中上貴晶「今年はライダーとして大きな成長を遂げることができた」/MotoGP第15戦ポルトガルGP決勝

 シーズン最終戦となったMotoGP第15戦ポルトガルGP決勝は、予選11番手から決勝に挑んだ中上貴晶が追い上げを見せて5位でフィニッシュした。

 過去3戦、予選、決勝で速さを見せてきた中上は、ポルトガルGPも好調で4戦連続フロントロウが期待されていた。しかし、土曜日のFP4で転倒を喫したことが影響し、予選は11番グリッドへと後退した。

 中上は初開催のサーキットとなるアルガルベ・インターナショナル・サーキットでさまざまなセッティングにトライ。2日目には、2台のマシンを異なる仕様にしてフリー走行に挑み、ベストセッティングを見いだした。しかし、不運にもそのマシンで転倒を喫し、その後に行われる予選では、仕様の異なるマシンでアタックすることになった。

 しかし、決勝に向けて自信を見せる中上は、朝のウォームアップで快調にラップを刻み2番手タイムをマーク。決勝でも前半の大混戦を抜け出すと、4番手を走るポル・エスパルガロ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)を追撃して5位でフィニッシュした。

 アルガルベ・インターナショナル・サーキットは、パッシングポイントが少なく、序盤、中上が加わった4番手グループは10台前後に膨らむ大集団となった。その集団の中で足踏み状態が続いたが、集団がばらけてきた後半になると一気にポジションアップ。アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)、ヨハン・ザルコ(エスポンソラーマ・レーシング)、ステファン・ブラドル(レプソル・ホンダ・チーム)、終盤にはチームメイトのカル・クラッチロー、そしてアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)らをかわし5番手に浮上。ラスト5周はP.エスパルガロとの差を縮めるべく快走した。

 2020年シーズンは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、7月中旬から11月中旬までの約4か月間で14レースというハードスケジュールとなった。中上はそのハードスケジュールの中で、初ポールポジションを含むフロントロウ4回、決勝では4位(2回)、5位(2回)などトップ10フィニッシュが12レースと安定した速さを発揮し、ランキング10位でシーズンを終えた。2021年シーズンも同じ体制でシーズンに挑む中上にとって大きな飛躍が期待される1年となった。

■LCRホンダ・イデミツ中上貴晶 決勝5位
「最初に、休みなく続いたハードな日程の中で、いつも完ぺきなマシンを準備してくれたチームとホンダ、そして、すべての関係者とスポンサーに感謝の言葉を送りたいです。そして、LCR Hondaで最後のレースになったカル(・クラッチロー)には、改めて感謝の言葉を送ります。MotoGPクラスで戦うようになってからの3年間、自分にとってカルはいつも偉大な選手であり、すばらしいチームメイトでした。これからも彼の成功を願っています」

「今日のレースは、11番グリッドからのスタートということで、前半はなかなか前にいけず厳しいレースとなりました。後半は多少ばらける展開になりパッシングポイントを見つけることができて一気にポジションを上げることができました。終盤は1分40秒前半で連続ラップすることができました。表彰台には立てませんでしたが、今日のレース内容には満足しています。そして、5位でフィニッシュすることができてよかったです。今年はライダーとして大きな成長を遂げることができました。来年はさらに前進し、しっかりチャンピオンシップを戦いたいです」

「今年はファンの方々にも本当にすばらしいサポートをしていただきました。とても感謝しています。来年は、応援してくるすべての方々に、さらに喜んでもらえるシーズンにしたいと思っています」

2020年MotoGP第15戦ポルトガルGP 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)
2020年MotoGP第15戦ポルトガルGP 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)
2020年MotoGP第15戦ポルトガルGP 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)
2020年MotoGP第15戦ポルトガルGP 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)
2020年MotoGP第15戦ポルトガルGP 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)
2020年MotoGP第15戦ポルトガルGP 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)

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