F1ボス、数年後は1シーズン24戦開催の意向。一部サーキットは交替制に

 F1のCEOを務めるチェイス・キャリーは、将来1シーズンの開催数を24戦にすることを目指しており、一部のイベント会場については、毎年行うのではなく別の場所と交互に行うという計画を立てている。

 リバティ・メディアは、F1商業権を取得して以来、カレンダーを拡大するという意向を明確にしてきた。開催数を増やすことにより、グランプリを開催するサーキットプロモーターに請求する開催権料を下げることが可能になるという。

 2020年はもともと史上最多の22戦で構成されるはずだったが、新型コロナウイルス感染症の大流行が世界的なロックダウンを引き起こしたため、17戦に規模が縮小された。今月発表された2021年暫定カレンダーには23戦が含まれている。

 チーム代表たちは、3月から12月の間に23戦を行うことは、彼らのスタッフたちにとって実行可能かどうかぎりぎりのレベルであると述べている。しかしキャリーは、少なくともあともう1戦の追加を考えているという。

「我々は今後数年の間に24戦のカレンダーに移行するつもりだ」とキャリーは先週、投資家とのビデオ会議で語った。

「新たなパートナーを迎えることができるように、一部のレースは交代で行うことになるかもしれない。しかし、そういうレースは限定される。長期的なパートナーシップが今後も優先事項であるためだ」

 キャリーによると、今年、カレンダー再編成が必要になり、急遽開催が決まったイモラやポルティマオ、イスタンブール・パークといった数多くのサーキットが、今後もグランプリを開催することに関心を持っているということだ。

2020年F1第13戦エミリア・ロマーニャGPスタート

「今年レースを開催した多くの会場が、新たなレースに強い関心を示しており、その他の国々もかつてないほどに強い関心を持っている」とキャリーは語った。

「2021年以降を見据え、F1を開催している世界中の場所が引き続き興奮を示していることを、喜ばしく思っている」

 キャリーはまた、F1が長年のパートナーとの繋がりを維持していることについても満足していると語った。

「我々はプロモーターたちとの関係を維持しているだけでなく、強化してきているのだ」とキャリーは語った。
「我々は改善された条件で来年の契約更新を完了した」

 キャリーは来年の初めに、CEOのポストを元フェラーリF1代表のステファノ・ドメニカリに譲ることになる。今年、F1は新型コロナウイルスのパンデミックにより大きな危機に陥ったが、来年にはF1が通常の状態に戻ることを、キャリーは期待している。

2019年F1開幕戦オーストラリアGP予選日のイベント

「我々は2020年のウイルスにより直面した挑戦をうまく乗り越えることができた」とキャリーは語った。
「2021年にはファンとのイベントを開催する。通常の状態に近い体験を提供することを計画しており、その契約が履行されることを期待している」

「我々は安全に移動をし、レースを運営できることを証明した。また主催者たちは、ウイルスを管理して前進する必要性をますます認識している」

「実際、多くの主催者が我々のイベントを、前進していることを世界に示すための基盤として利用したいと思っているのだ」
「我々は2021年に世界が動き始めるよう計画している。そして、それに対する期待において、パートナーたちの意志を確認している」

 キャリーは2022年については、コース上での競争をさらに促進するための新たなマシンとレギュレーションによって、「より一層エキサイティング」な年になると期待している。

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