長崎県高校新人大会 ハンドボール 男子 瓊浦4連覇 女子 佐世保商V

【ハンドボール男子決勝、長崎工-瓊浦】後半26分、瓊浦のセンター土屋が相手を引き寄せてパスを送る(左)、【ハンドボール女子決勝、瓊浦-佐世保商】後半25分、佐世保商のフローター山本がシュートを決めて15点目=佐世保西高体育館

 長崎県高校新人大会は21、22日、佐世保市の佐世保西高体育館などで2競技が行われ、ハンドボールの男子は瓊浦が4連覇を飾り、女子は佐世保商が3年ぶりに優勝した。
 男子決勝の長崎工-瓊浦は、序盤から瓊浦が主導権を握った。フローターの黒木、土岐、サイドの髙木、髙尾らが次々に得点。開始18分で10-1とリードを広げると、後半は点差を縮められながらも、センター土屋らを中心に20-14で逃げ切った。
 女子決勝の瓊浦-佐世保商は終盤、一気に試合が動いた。佐世保商が前半を11-6で折り返したが、後半に瓊浦がフローター吉武らを軸に猛追。残り32秒で1点差、残り十数秒で16-16の同点としたが、最後は佐世保商のポスト森が決勝点を決めた。
 ボクシングは5階級を制した長崎鶴洋が7年連続7度目の団体優勝を果たした。

■男子・瓊浦 センター土屋 存在感
 ハンドボール男子は瓊浦がV4を達成。決勝は10月の長崎地区新人大会で3点差で負けた長崎工を立ち上がりから一気に攻めて、終始リードを守った。末岡監督は「一緒に練習をしてくれる3年生や(OBの4人の)教育実習生たちのおかげ」と感謝した。
 全体的に体格で劣る中、スピードとテクニック、強いハートで対抗した。中でも存在感を示したのは身長163センチのセンター土屋。「逃げずに立ち向かっていけた」と約20センチも高さで差のある相手の隙間に、鋭く切り込んだ。フェイントからシュートを決めたと思えば、次は相手を引き寄せてパスを送って味方の得点をアシスト。攻撃の起点になり続けた。
 現時点では土屋ら1年生主体のチーム。故障欠場した主将のサイド森は「(コロナ禍で)実戦経験が浅い中、3年生との紅白戦などで鍛えてもらった」と振り返った上で「自分も早く復帰し、さらに戦力を高めていきたい」と後輩たちの奮闘に刺激を受けた様子だった。

■女子・佐世保商 ラストプレーで決着
 ラストワンプレーで決着がついたハンドボール女子決勝は佐世保商が昨年敗れた瓊浦に雪辱し、3年ぶりに王座を奪回。就任2年目の濵田監督は「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)を掲げ、きつい練習にも耐えてくれた。自慢の生徒たちです」と笑みを浮かべた。
 11-6で折り返した後半に点差を詰められた。残り20秒を切って追いつかれ、会場は沸いた。そんな中、落ち着いていた主将の中山が前へパス。「(中山と)目が合い“いくしかない”と思った」というポスト森がそれを受けてシュート。ゴールネットが揺れた直後に試合終了を迎え、チームは喜びを爆発させた。
 ほぼ同じメンバーの相手に15点差をつけられた昨年の悔しさを知る中山、山本の両フローターを中心に、確かに成長の証しを示した選手たち。山本は「どこにも負けない、きつい練習を積んできた」と胸を張り、中山は「ミスが増えた後半の我慢とディフェンス面をもっと磨いていきたい」とさらなる飛躍を誓った。

© 株式会社長崎新聞社