ロックダウンの厳格化と集団検査の実施 @オーストリア・ウィーン【11月20日】 新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ

「安全なクリスマスのために」とクルツ首相

 新型コロナ新規感染者率が欧州トップとなったオーストリアでは、17日から2度目のロックダウンを実施している。国民の間では先行きへの不安とロックダウンに対する不満が拡大し、政府が協力と団結を呼びかけている。

 14日の会見で、クルツ首相は、「国民に安全なクリスマスを迎えてもらいたい。今厳格な措置をとることで、少なくとも少人数の家族でクリスマスを祝える状況まで改善したい」と話し、12月6日までのロックダウン厳格化と、集団検査の計画があることを発表した。

 大規模な集団検査は、隣国スロバキアを参考にするという。スロバキアでは全国民545万人のうち3分の2に対して検査が行われ、陽性は1%だった。集団検査を実施することにより感染者状況を確実に把握し、12月に予定されるロックダウンの緩和に備えるという。検査規模については、まだ明確になっていない。

 オーストリアでは幼稚園を除き、学校は全て閉鎖となっている。政府は、ロックダウン解除前に集団検査を実行し、学校や店舗の再開に備えたいとしている。最優先対象は学校の教師らで、その後も区分ごとに実施する計画だという。

 集団検査には、時間のかかるPCR検査ではなく、結果がすぐに分かる抗原検査が用いられる予定だが、検査結果はPCR検査ほど確実ではない。集団検査に向け十分な試薬が確保されたが、輸送面で課題が残るという。今週末には実施における詳細が発表される予定となっている。

© 国際イベントニュース