寝室インテリアのコツ。おしゃれでくつろげる寝室コーディネートのポイントを和室から洋室まで実例付きで紹介

寝室づくりの基本は、熟睡を促すコーディネートであることです。とくに家具・インテリアの色は、睡眠の質に大きく関わってきます。さらにレイアウトやベッドメイキングを工夫すれば、おしゃれでリラックスできる寝室に仕上がります。今回は、寝室コーディネートの基礎知識を中心に、実践で取り入れたいおしゃれな実例を紹介します。

おしゃれでリラックスできる寝室づくりのコツとは【カラーコーデ編】

理想の寝室をつくるためには、家具・インテリアの色が持つ心理的作用を理解し、適切なバランスで組み合わせることが大切です。カラーによる効果を知り、寝室の色合いを調整しましょう。

「テーマカラー」を決める

カラーコーディネートの基本は、「ベースカラー」「アソートカラー」「アクセントカラー」の使い分けです。デザイン領域における“70:25:5の法則”に沿った考えをもとに内装材や設置物の色を決めると、統一感のある部屋に仕上がります。ベースカラーは床・壁・天井など内装材の色で、ホワイトやベージュ、アイボリーなど、飽きが来ない色を選びましょう。

アソートカラーは、空間のテーマカラーです。部屋の主役となる色で、寝室づくりにおけるカラーコーディネートは、アソートカラーを決めることから始めます。家具・インテリア全般や建具(たてぐ)、カーテンなどの色にあたります。

アクセントカラーは、いわゆる差し色のことです。テーマカラーの反対色をはじめ、ビビッドな色を使うと空間が引き締まります。クッション・ソファカバー・壁面装飾など、小物類に取り入れるのが一般的です。

リラックス効果をもたらす色

色には特定のイメージや雰囲気、感情を想起させる心理的作用があります。寝室の場合、彩度の低いブルーやグリーンなどの寒色、ブラウンなどの暖色でコーディネートするのがおすすめです。ブルーは寒色に分類され、心理状態を落ち着かせるリラックス効果が認められています。

自然を連想させるグリーンやブラウンは、同じく安息が得られる色。いずれも心理的作用の観点から、寝室のカラーコーディネートに多用されます。なお、彩度の高い赤・黄色・ピンク・オレンジなどは寝室には不向きです。これらは興奮色と呼ばれ、安眠を妨げる要因となります。

カーテンも一緒にカラーコーディネートする

カーテンは面積の広さから、寝室の雰囲気を大きく左右するインテリアのひとつです。寝室づくりでカラーコーディネートする際、カーテンの色や柄にも注目してください。

壁の一部のように統一された空間に

カーテンは壁の色に合わせると、寝室全体に統一感が生まれ、バランスの良い仕上がりになります。シンプルな無地のカーテンが最適ですが、家具・インテリアによっては柄物のカーテンでも構いません。その際は、空間の雰囲気を損なわない柄をチョイスしましょう。

北欧テイストを例に挙げると、自然を連想させる無地のアースカラーのカーテンがおすすめです。ホワイトやベージュの壁と調和し、壁と一体化しているように見えます。空間にアクセントが欲しい場合は、柄物のカーテンを大胆に使うのもひとつのアイデアです。寝室の雰囲気を引き締めるとともに、華やかな印象を与えます。

壁紙の色で他の部屋とは違った気分を楽しむ

寝室の壁紙は、他の部屋とは違う色・柄で選ぶのがおすすめです。次に、色が持つ心理的作用を踏まえつつ、寝室に最適なカラーを紹介します。

リラックスしたい寝室にぴったりなカラー

寝室の壁紙は、自分好みのデザインを取り入れて、ほかの部屋との差別化を。シックなグレーの花柄を取り入れて、華やかさもプラス

ベッドルームの壁紙には、定番のホワイトやベージュをはじめ、森林を連想させるグリーンやブラウン、落ち着いた雰囲気のグレーなどが最適です。子供部屋の壁紙では、爽やかなイエローも、可愛らしくポップな色合いがお子さんに喜ばれます。

インテリアとの組み合わせ次第では、柄物やアクセントカラーを取り入れた壁紙もおすすめです。配色のバランスを取れば、おしゃれで華やかな空間になります。寝室は自分だけのプライベート空間です。ほかの部屋との差別化を意識し、自分好みの空間に仕上げたいところです。

おしゃれなベッドメイキングで寝室をコーディネート

ベッドは寝室の雰囲気を大きく左右するインテリアです。とくにベッドリネンなどのファブリックは、その色や素材選びが重要となります。ここでは、おしゃれでリラックスできる寝室に欠かせない、ベッドメイキングのポイントを解説します。

北欧風や高級ホテル風のベッドメイキングにしたいとき

ベッドメイキングで大切なのは、寝室のイメージに合うベッドリネンを活用することです。ベッドリネンはベッド関係のファブリック製品の総称で、ベッドパッドやシーツ、敷きパッド、枕カバーなどを指します。これらはベッドサイズよりも、大きめのものを用意するのがコツです。雰囲気のいい部屋に仕上がるうえ、冬場も暖かいメリットがあります。

北欧風のベッドメイキングには、シンプルな北欧柄のベッドリネンが最適です。模様替え時にも使いやすい万能アイテムで、同じ色・柄で揃えるのがポイントです。また、高級リゾートホテル風のベッドメイキングには、落ち着いた色合いのネイビーカラーや、ベロア素材のベッドリネンがおすすめ。レイアウトを工夫すれば、気品漂う上質な空間になります。

インテリアがシンプルなときはベッドリネンでアクセントを

「インテリアがシンプルすぎて物足りない…」そんな時はベッドリネンでアクセントを。明るすぎない色を選ぶのがコツ

「インテリアがシンプルで味気ない…」そんなときは、主張性の強い色や柄のベッドリネンを選びましょう。ベッドリネンをアクセントにする中~上級者向けテクニックですが、ぜひ活用してください。

ただし、各アイテムの色選びには注意が必要です。ベッドリネンを華やかな色で統一すると、明るすぎる印象になってしまいます。淡いピンクやイエロー、暗めのパープルなど、落ち着いた色で統一するのがおすすめです。

おしゃれでリラックスできる寝室づくりのコツとは【インテリア編】

カラーコーディネート編に続き、寝室づくりにおける家具・インテリアの選び方を紹介します。観葉植物をうまく活用し、さらに癒やしの空間を追求しましょう。

寝室に置く家具は少なめに限定する

おしゃれな寝室に仕上げるコツは、家具・インテリアの見せ方を工夫することです。小さな家具や雑貨類の設置は避け、シンプルかつ開放的な空間を目指します。存在感のあるインテリアをひとつ設置する方が、おしゃれですっきりと見えます。

反面、「おしゃれな部屋=たくさんのものを飾りつけた部屋」という認識の人も少なくありません。装飾類が多いとおしゃれに見えるのは確かですが、その分だけ煩雑な印象を与えます。寝室に置く家具・インテリアは、「本当に置きたいもの」に限定しましょう。

寝室に設置する代表的なインテリア

ベッドを中心に、寝室にはベッド用照明・サイドテーブル・ミニデスク・ミニチェスト・の5種類が必要です。各インテリアの素材や色で、寝室の雰囲気が決まります。また、ヘッドボードのデザインも重要です。「棚付きタイプ」「パネルタイプ」「ヘッドレスタイプ」の3種類があるため、ヘッドボードをもとに、設置するインテリアを吟味するのもおすすめです。

植物を置く

観葉植物には、グリーンの視覚的な癒しとともに、空気を浄化させる効果が。寝室には是非取り入れたいアイテム

観葉植物は、空間に爽やかな癒やしを与えるアイテムです。自然素材の家具・インテリアとの相性に優れ、ナチュラルな雰囲気を演出します。日が当たりづらい寝室には、ドナセラ・シェフレラ・アスプレニウムなどの耐陰性に優れる観葉植物が最適です。部屋のスペースを見ながら2~3種類の観葉植物を設置しましょう。

寝室にぴったりな観葉植物が知りたいあなたへ

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壁掛け、飾り棚など、配置に工夫を

植物には、ヘッドボードやウッドシェルフに置いたり、床置きしたりと、さまざまな飾り方があります。天井から吊す形でハンギングプランターにしてもおしゃれです。サイズが大きい植物は、寝室の隅などのデッドスペースに設置するのがおすすめ。あくまでもアクセントのため、植物自体の数は少なくて構いません。ワンルームの場合は、床スペースの関係から、小ぶりの植物を複数置くほうがおしゃれな印象になります。

水やりの手間がかからないフェイクグリーン

「植物は水やりが手間…」という方には、本物そっくりのフェイクグリーンをおすすめします。フェイクグリーンは水やりが不要で、空間にみずみずしさを与えてくれる便利アイテムです。消臭効果や光触媒効果など、近年は機能性に長けたフェイクグリーンも登場しています。

《参考》ベッドを置く「向き」について

寝室コーディネートでは、ベッドの向きが重要です。その理由と具体的な置き方について解説します。

こだわりたいのは「窓に対しての」向き

ここで説明するベッドの向きとは、東西南北(方角)ではなく、「窓に対しての向き」です。窓の方向にベッドの頭を向けた場合、窓から流入する冷気が熟睡を妨げる可能性があります。そのため、「窓がない方向」かつ「窓から遠い場所」にベッドの頭を向けるのが基本です。

ベッドの向きに関して、「北枕は避けるべき」という説があります。これは仏教において、お釈迦様が亡くなった際の枕の方向が、北向きであったためです。しかし、北向きに流れる地球の磁気が血行を促進したり、風水的には夫婦円満・子宝成就を期待できたりといった話もあります。方角にこだわらない方は、北枕になっても問題ありません。

寝室に取り入れては「いけない」インテリア

寝室は1日のうち3分の1の時間を過ごす、大切な場所です。そのため、「睡眠」を考慮したアイテム選びが求められますが、寝室に「取り入れてはいけない」インテリアがあります。

交感神経を優位にするカラーのインテリア

交感神経を刺激する彩度の高い色は、寝室には不向き。赤系を取り入れたい場合は、小豆色や淡い発色のピンをチョイス

興奮色をはじめとする彩度の高いカラーには、人間の交感神経を優位にする働きがあります。交感神経とは、自分の意思とは無関係に24時間働き続ける「自律神経」の一種です。日中は自律神経が活発になり、夕方~夜にかけて副交感神経に切り替わります。

夜になると気持ちが落ち着いたり、眠くなったりするのは副交感神経の働きによるものです。ブルーやグリーンが寝室に最適なのは、副交感神経の働きを促し、気持ちをリラックスさせる効果があるためです。

主な交感神経を優位するカラーとして、赤色が挙げられます。興奮色の赤色には、アドレナリンが分泌しやすくなったり、血圧や心拍数を高めたりする効果があります。そのため、寝室というリラックス空間には不向きといえます。

それでも赤色の家具・インテリアを置きたい場合は、同系統の淡い色、または暗い色を選びましょう。たとえば、パステルピンクや小豆色、ブラウンに近い栗色などが挙げられます。同じ赤色であっても、彩度が低く、落ち着いた色調の「赤」がおすすめです。

明るすぎる照明

寝室の照明が明るすぎると、交感神経が活発化し目が冴えてしまう。電球色の柔らかい光を低い位置から照らすのがベスト

インテリアの色同様、明るすぎる照明は交感神経に働きかけます。まぶしい光は目が冴えてしまうため、寝室には光量が少なく、柔らかい光の照明を設置してください。どの位置から照らすのかも重要です。基本はフロアランプやダウンライトなど、低い位置で使う照明がおすすめです。

また、電球の種類にも注目です。一般的な照明には「電球色」「温白色」「白色」「昼白色」「昼光色」といった5種類の電球・蛍光灯が使われており、それぞれ光の色や明るさが異なります。電球色は、オレンジがかった光が特徴です。淡い光が気持ちを落ち着かせるため、寝室の照明に最適です。さらに目が疲れにくく、就寝前の読書にも便利です。複数の間接照明を設置すると、幻想的な雰囲気になります。

寝室には、部屋の明るさを自由にコントロールできる「調光機能搭載」の照明がおすすめです。就寝前や起床後など、シーンに合わせて明るさを変えられるため重宝します。また、大型照明(ペンダントライトなど)の設置はおすすめしません。空間に存在感や圧迫感が生じるため、リラックスしづらい雰囲気になります。睡眠中に地震が発生した場合、照明が倒れる可能性があるため注意しましょう。

寝室に間接照明を取り入れたいあなたへ

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背の高いインテリア

寝室に背の高いインテリアを設置するのは危険です。空間に圧迫感が生じるほか、地震発生時に家具が倒壊するおそれがあります。2016年4月に発生した「熊本地震」では、負傷者の57.1%が「転倒した家具類の下敷き」により負傷しています。寝室は背の低い家具でレイアウトする「ロースタイルインテリア」がベストです。さらに背の低い家具で揃えると、開放的でゆったりとした空間になります。

おしゃれでリラックスできる寝室インテリア【実例編】

寝室のコーディネートがまとまらないときは、SNSに投稿されたインテリア・フォトが参考になります。ここでは、おしゃれでリラックスできる寝室を実現したインテリアの実例を紹介します。

木のぬくもりが感じられる「和モダン」スタイルの寝室

epiceainteriorさんのインスタグラムより

畳敷きの和室にベッドを設置した和モダンスタイルの寝室。木のぬくもりが存分に感じられる部屋ですが、注目したいのはベッドの高さです。こちらは下がり天井のある部屋で、通常のベッドを置くと頭がぶつかるとのこと。そこで、ベッドの足を外してローベッド化し、ちょうどいい高さに調整しています。あえてセミダブルベッドをツインで配置するなど、動線確保の工夫も見られます。

ワンルームの寝室インテリアを2色でまとめる

空間をホワイトとブルーの2色で統一することで、可愛らしくもエレガントな雰囲気に仕上がります。ガーリー風インテリアの定番はホワイト×ピンクですが、ベッドスペースには爽やかなブルーもマッチします。

子供の寝室は、アクセントカラーで可愛らしく

子供部屋の寝室は、パステルピンクなどをアクセントに、可愛らしくコーディネートしましょう。柄物の壁紙でポップな印象をつくり、家具・インテリアは木製で統一。電球色の灯りを取り入れて優しい雰囲気をつくれば、お子さんも気持ちよく眠れそうです。

壁に飾った絵とファブリックのカラーがさりげなくマッチした「おしゃれ上級者」の寝室

m.f.j___ouchi さんのインスタグラムより

壁面の絵とファブリックの色を合わせ、“さりげないおしゃれ”を取り入れた実例です。シンプルな寝室に見えますが、絵とファブリックをピンクで合わせています。これが寝室のテーマカラーとなり、さりげない女性らしさを演出。主張しすぎないテクニックはまさに上級者向けといえます。

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