【性的画像問題】選手の盗撮は「卑劣な行為」 JOC、男女ともに被害確認

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アスリートへの写真・動画による性的ハラスメント防止を呼び掛けるステートメントデザイン

 アスリートが性的な画像や動画を無断で撮影され、会員制交流サイト(SNS)などで拡散される問題が深刻化している。スポーツ界はハラスメントと断じ、日本オリンピック委員会(JOC)が中心となって実態把握に努めながら「卑劣な行為」の撲滅を目指す。ただ、抜本的な対策には法律の壁もあり、行政機関を巻き込むなど社会全体での取り組みが求められそうだ。 

 JOCなどスポーツを統括する国内7団体が13日に共同声明を発表した。盗撮をはじめ、写真・動画を使用した悪質なSNS投稿やウェブ掲載はアスリートを傷つける行為と批判。盗撮防止事例や被害の実態を関係機関と共有し、選手への啓発も行うとしている。

 競技中の選手を性的な意図で撮影する行為は約20年前から続くとされる。これまで各競技団体が独自に対応してきたが、撮影機材の発達に加え、スマートフォン、SNSの普及で被害は増加の一途をたどる。

 東京五輪・パラリンピックを控えるスポーツ界を動かしたのは、今夏、日本陸上競技連盟に寄せられた女子選手の訴えだった。

 競技中の写真がひわいな言葉とともにSNSに投稿されたとして、陸連から相談を受けたJOCが調査したところ、他の複数の競技でも同様の事例が判明。女性に限らず男性の被害も報告されているという。

 JOCによると、現行法では衣服の上からの撮影を盗撮として罰することは難しい。籾井圭子常務理事は、画像拡散も含め法規制を強化して取り締まるには時間を要するとした上で、「認知度を高め、社会全体で問題意識を持つことが重要」との認識を示す。

 被害の実態把握は二次被害につながる恐れもあり、選手への直接の調査には慎重な構え。新たに開設した専用サイトに窓口を設け、選手だけでなく一般にも広く情報提供を呼び掛けていく。

 「今、被害に遭っている選手をそのままにするわけにはいかない」と籾井常務理事。方策を具体化させるスタートと位置付け、「これで足りているとは思っていない。次のステップで規制強化の話もあると思う」と述べた。