回転窓/働く姿は見られている

©日刊建設工業新聞社

東日本大震災からまもなく10年。発災当時、小学校低学年だった世代も高校生になり進路を考える年ごろになっている▼岩手、宮城、福島での被災体験だけでなく、災害報道に触れたり、被災地を訪ねたりした経験が高校生たちの心に深く刻まれている。国土交通省と建設産業人材確保・育成推進協議会(人材協)が共催する「高校生の作文コンクール」の受賞者のうち、震災が進路を決めるきっかけになった高校生は少なくない▼本年度の国交大臣賞を受賞した淺沼小春さん(岩手県立盛岡工業高校2年)もその一人。「地元に戻って復興に貢献したい」と土木を学び、「10年後の私が見たいのはかつてと同じ風景の故郷ではなく、生まれ変わり活気の戻った町です」と未来を描く▼震災の悲しみやつらさを乗り越えながら夢に向かっていきたいとつづる作文には、被災地の復興に力を尽くす建設業の姿がある。若者たちは建設業の社会的使命を身近に感じながら、将来を託せる仕事かどうかを見ている▼働く人が誇りとやりがいを持ち、生き生きとものづくりに打ち込む。その姿は見られていると、一人一人が意識を持たなくては。