米株上昇、ワクチン期待や次期財務長官巡るニュースが支援

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[ニューヨーク 23日 ロイター] - 米国株式市場は値動きの荒い展開となる中、上昇して取引を終えた。新型コロナウイルスワクチンへの期待感から景気動向に敏感なエネルギー株や工業株が買われた。ただ、大型株が売られ、S&P総合500種とナスダック総合の上値は抑制された。

この日の上昇はシクリカル(景気循環)銘柄が主導し、エネルギー株は6%超上昇、工業株と金融株はそれぞれ1%超上昇した。

11月の米総合購買担当者景気指数(PMI)が57.9と、10月の56.3から上昇し、2015年4月以来の高水準を付けたことも支援材料となった。

エネルギー株は、ワクチン実用化で燃料需要の回復につながるとの期待から原油市場が上昇したことに支援された。

一方、新型コロナの感染拡大を背景にした市場の混乱を受け、比較的安全な銘柄として買われてきたアップルやネットフリックスといったIT(情報技術)関連の大型株は売られた。

ケイス・キャピタル・アドバイザーズのマネジングパートナー、ケン・ポルカリ氏は「きょうはワクチントレードとなった。投資家がグロース(成長)銘柄からシフトする中、景気動向に敏感な大型バリュー株が引き続き買われている。ナスダックが圧迫される一方、ダウのパフォーマンスが好調だったのはそのためだ」と指摘した。

英製薬大手アストラゼネカは23日、英オックスフォード大学と共同開発している新型コロナウイルスワクチンの臨床試験(治験)の中間結果を発表し、深刻な副作用を起こさず感染を予防できる有効率が約90%だと明らかにした。

米大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領は、次期財務長官にイエレン前連邦準備理事会(FRB)議長を指名する計画だという米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道も、米株市場の終盤に買い材料となった。

ロングボウ・アセット・マネジメントのジェイク・ダラーハイド最高経営責任者(CEO)は、不透明感が強い状況においては何かが明確になることは市場の支援になると指摘。「財務省はおそらく、追加景気対策を実施する上で、議会よりも重要だ。大きな障害を取り除くことになる」と述べた。

新型コロナワクチンへの期待から今月に入り、S&P総合500種は過去最高値を付け、ダウ工業株30種は初めて3万ドルに迫った。

ただ、新型コロナの感染者急増を受けた新たなロックダウン(都市封鎖)が地合いを圧迫している。米ネバダ州は22日、カジノやレストラン、バーの規制を強化するなどの措置を発表した。

電気自動車(EV)大手テスラは、来月のS&P総合500種への採用を控え、6.58%急伸。時価総額は5000億ドルに近づいた。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.93対1の比率で上回った。ナスダックでは1.95対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は121億株。直近20営業日の平均は108億7000万株。出来高は26日の感謝祭に向けて細る見通し。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 29591.27 +327.79 +1.12 29332.82 29667.75 29332.82

前営業日終値 29263.48

ナスダック総合 11880.63 +25.66 +0.22 11916.76 11949.33 11796.53

前営業日終値 11854.97

S&P総合500種 3577.59 +20.05 +0.56 3566.82 3589.81 3552.77

前営業日終値 3557.54

ダウ輸送株20種 12424.11 +192.01 +1.57

ダウ公共株15種 873.01 -0.28 -0.03

フィラデルフィア半導体 2595.25 +39.75 +1.56

VIX指数 22.66 -1.04 -4.39

S&P一般消費財 1253.36 +10.05 +0.81

S&P素材 441.62 +3.78 +0.86

S&P工業 742.96 +11.97 +1.64

S&P主要消費財 683.18 +0.35 +0.05

S&P金融 459.26 +8.49 +1.88

S&P不動産 227.74 -0.77 -0.34

S&Pエネルギー 286.18 +18.94 +7.09

S&Pヘルスケア 1262.42 -3.83 -0.30

S&P通信サービス 211.32 +0.10 +0.05

S&P情報技術 2108.98 -0.70 -0.03

S&P公益事業 321.63 -0.05 -0.01

NYSE出来高 10.35億株

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 25940 + 400 大阪比

シカゴ日経先物12月限 円建て 25935 + 395 大阪比

(S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)