「ハマのアップルパンチ」襲名も? DeNAドラ2の中大・牧、祖父がりんご農家の“長野愛”

DeNAから2位指名を受けた牧秀悟(左)と三浦大輔新監督【写真:宮脇広久】

即戦力スラッガーが目指す開幕1軍「しっかり勝ち取りたい」

DeNAからドラフト2位指名された中大・牧秀悟内野手は23日、都内のホテルで球団と交渉し、契約金7700万円、年俸1300万円(金額は推定)で仮契約を結んだ。背番号は、今季限りで退団したロペスが付けていた「2」に決まった。

最大のセールスポイントは、広角に打てる打撃。昨年は春の東都大学リーグ戦で打率.400をマークして首位打者を獲得。昨年夏には侍ジャパン大学代表に選出され、日米大学野球で4番を務めた。昨秋には中大の30季ぶり優勝の原動力となりMVPに。二塁と遊撃の守備もそつなくこなし、アマチュア球界には「完成度、即戦力度では阪神1位の近大・佐藤輝明内野手を上回り、今年のドラフトで指名された野手でナンバー1」との声もある右打ちのスラッガーだ。

「開幕1軍」が1年目の目標。「DeNAは内野手が多いですが、しっかり勝ち取りたい」とキッパリ。大和、柴田、倉本、中井、山下らとポジションを争うことになる。

この日は、三浦大輔新監督がサプライズで同席したことから、緊張で普段より口数が少なめに。だが、報道陣からドラフト1位の明大・入江が出身地の栃木への“愛”をアピールしていると聞くと、「自分も地元愛は負けていないと思います」と俄然、能弁になった。

牧は長野県北部の中野市出身。「長野は冬の気候はめちゃくちゃ寒いけれど、人と人の関わりが深くて住みやすいです。りんごとか食べ物もおいしい。りんごは自分のおじいちゃんも作っています」とアピールした。

農林水産省が発表した統計によると、昨年のりんごの都道府県別収穫量は、青森県が全体の58%を占める40万9800トンでトップ。長野は18%の12万7600トンでこれに次ぐ。青森と長野がりんごの2大産地と言える。ちなみに3位は岩手の7%、4位は山形の6%。一説によると、青森のりんごは甘味と酸味のバランスが良く、長野のりんごは甘味がより強いともいわれる。牧の祖父も、県内の戸狩地区でりんごやぶどうを生産している農家だという。

球界では西武・外崎が、青森県弘前市の実家がりんご農家を営んでいることにちなみ、お立ち台で「アップル・パ~ンチ!」と観客と声を合わせて叫ぶのが例年のお決まりになっていた。牧も自身のキャッチフレーズやニックネームに、りんごを組み込むのは妙案かも…? まずは、持ち前の打棒でのし上がっていく。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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