聖和女学院 3年ぶり王座奪回 九文に快勝 達成感にじむ 全日本バレー高校選手権長崎県大会

【女子決勝、聖和女学院―九州文化学園】第2セット、スパイクを放つ聖和女学院のOH田口=シーハットおおむら

 コート上の選手、ベンチ、応援席すべてに達成感が漂った。女子は聖和女学院が3年ぶりに王座を奪回。決勝は過去に32度の優勝を誇る九州文化学園を3-0のストレートで退け、異例の年を最高の形で締めくくった。
 セッター宮田のツーアタックを皮切りに、一度も追いつかれることなく第1セットを先取。その後も安定したサーブレシーブから、持ち味の多彩な攻撃を披露した。MB岡住が「打つだけじゃなくて声でボールを呼ぶことで相手を引き寄せて(実際に打つ)得点源を生かせた」と振り返ったように、OH田口、MB山下らが次々にスパイクを決めた。
 第3セットは一進一退となったが、14-15の場面でセッターを1年生の山崎に交代。アタッカーの打点を微修正し、田口の連続得点などで流れを渡さなかった。3年前、同じく九文を倒して全国に出場した姉に「かっこいい」と憧れを抱いていた田口。2年生ながら、自らも大きく躍動してみせた試合に「3年生を絶対に勝たせたかった」と笑みを浮かべた。
 ここからさらに技術を磨いて各地の強豪に挑戦することになるが、試合終了後、岡田監督はまずこう言葉をかみしめた。「(コロナ禍で)特別な年だったから…。保護者会をはじめ、大人の協力が大きくて、それを見て感じた子どもたちも自主性や積極性の部分で成長した。それぞれの“ありがとう”に、この結果がついてきたことが何よりです」


© 株式会社長崎新聞社