大村工、逆転で11連覇 佐世保南に雪辱 成長示す

【男子決勝、佐世保南-大村工】第4セット、速攻を仕掛ける大村工のMB村田(中央)=シーハットおおむら

 成長を示す11連覇だった。男子の大村工は今季2度敗れていた佐世保南に、3-1で雪辱を果たした。朝長監督は「(コロナ禍で)苦しい年だったが、選手たちがよく頑張ってくれた」と満足そうにうなずいた。
 7月の県協会長杯はエースをつくる時期と位置付け、サイド中心のオープンバレーで挑んだ。結果は思い通りにいかず、セッター田中は「コンビバレーじゃないと勝てない」と痛感。今大会は強化してきたセンター線を軸に組み立てた。
 中でも2年生MB村田の存在感が際立った。「ブロックが追いつかない状態で打つ練習を繰り返してきた」と高確率で得点。3年生のMB大曽と松崎も負けじと速攻を決めた。第1セットこそ落としたが、テンポのいい攻撃を続けるうちに、流れを引き寄せていった。
 夏は不完全だった伝統の組織的な守備も披露。相手エースの入来に3枚ブロックをつけ、周りはしっかりとフォローした。ほかのスパイカー陣にもブロックとレシーブで対応し、粘り強くラリーに持ち込んだ。16-20とリードされた第3セットも、じわじわと差を詰めて28-26で競り勝つと、勢いは第4セットも止まらなかった。
 昨季から主力のエース金子とOH松本も、両サイドから打って決めきれるようになってきた。朝長監督は「スパイカー強化はできている。全国大会が楽しみになってきた」。たくましくなった王者は今、日本一を見据えている。


© 株式会社長崎新聞社