寒暖差による肌荒れが最も起きやすい都道府県は?「寒暖差肌荒れ注意度 全国ランキング」

すっかり寒い季節になりました。乾燥による新型コロナウイルスの再拡大が怖いですが、身近な心配も多くあります。その一つが肌荒れ。乾燥の影響だけでなく、屋内外の移動などの際の寒暖差によっても肌荒れは起こるもので、マスク必須の今年の冬は特に注意が必要です。

今年10月、資生堂ジャパンと日本気象協会が共同で「寒暖差肌荒れ注意度 全国ランキング」を発表しました。全国47都道府県のうち、どの県が最も寒暖差が激しく、肌荒れへの対策をすべきなのでしょうか。ここでご紹介していきます。


3年分の気象データが数値化されたランキング

急激な気温変化は肌荒れのリスクを高めるとされます。「寒暖差肌荒れ注意度 全国ランキング」は、2017~2019年の10月1日~12月31日、「気温の前日差」「一週間積算気温差」「1日気温差」「屋内外気温差」から算出した「寒暖差肌荒れ指数」をもとに都道府県ごとに寒暖差を数値化。注意すべき県をランキング化したものです。さっそく見ていきましょう。

資生堂ジャパンと日本気象協会が共同で発表した「寒暖差肌荒れ注意度 全国ランキング」

1位は、冬の訪れが早く急速に気温が下がるあの都道府県

「一週間積算気温差」「気温の前日差」「屋内外気温差」の3分野で1位となった北海道。秋から冬にかけての季節の移り変わりが全国で最も早く、さらに急速に気温も下がることから、寒暖差が全国で最も大きくなる地域です。全国で唯一、「気温の前日差」が10℃を超えた地域でもあり、日本全国で最も「寒暖差による肌荒れ」を起こしやすい地域と言えるでしょう。

2位、3位は海なし県がラインクイン

2位は、群馬県でした。高い山々が北部、東部、西部にあり、南東部だけが関東平野に向かって開けるという、起伏が激しく複雑な地形を持っているため、「寒暖差によって肌荒れ」に注意が必要です。独特の地形から冬のからっ風なども吹き荒れるため、防寒と合わせて、肌荒れを起こさないよう特に注意すべき地域です。

3位は、日ごとの最小湿度が全国で1位、さらに「1日気温差」が2位となった山梨県。盆地で起こりやすい冬の乾燥と、温まりやすく冷えやすい地域でもあるため、昼夜の寒暖差が激しい地域です。北海道、群馬県同様「寒暖差によって肌荒れ」に注意すべき地域です。

東京都でも油断禁物

さらに4位以下のランキングは下記の通りです。冬場は深い雪に囲まれる北陸地方や、日本海側に面した中国地方が低いランクだったのは意外です。

「寒暖差肌荒れ注意度 全国ランキング」47位までの順位

東京都は24位と「寒暖差によって肌荒れ」の心配をしなくても良いように感じられますが、解析対象期間中には、湿度が低く、「1日気温差」が10℃を超える日が半数近くあったようで、油断は大敵です。

さらに、関東北部や甲信地方のいわゆる「海なし県」が上位にランクした傾向もあり、これらの地域で暮らす人、通勤する人は、日頃の寒暖差に注意したほうが良いでしょう。

これらは日々の気象状況によっても左右されますが、日本気象協会が運営する「tenki.jp」では、「寒暖差によって肌荒れ」のリスクレベルを5ランクに分け、1日12回更新・発表しています。こういった情報もチェックして肌荒れに対して先手となるような対策をするのが賢明です。

「tenki.jp」が1日12回更新・発表する「寒暖差肌荒れ指数」

スキンケアアイテムは「寒暖差着目型」「低刺激」「肌荒れケア」などを

では上記の「寒暖差肌荒れ指数」のリスクレベルが高い場合、あるいは「最近肌荒れが激しい」といった場合、どういった対策をとるのが得策でしょうか。

普段以上のスキンケアが大切で、「寒暖差に着目したアイテムを使用する」「低刺激のスキンケアアイテムを使用する」「洗顔料を保湿ケアができるものに変更する」など、冬場、特に効果が出そうなスキンケアアイテムを使用すると良さそうです。

マスクの中も季節ごとに湿度変化を繰り返している!

最後に、日本気象協会・気象予報士の安齊理沙さんと、資生堂ジャパン・小池絹江さんに話を聞きました。

―「寒暖差肌荒れ指数」発表の経緯と、注意すべき点を教えてください。

安齊:資生堂の研究知見を活用し、資生堂ジャパンと日本気象協会が共同で「寒暖差肌荒れ指数」を開発・発表することにしました。一定期間の気温差や湿度のデータと、資生堂の持つ肌や美容に関する研究結果などの知見を加味して、指数を算出しています。

注意すべき点は、一週間ごとの「前日差」など、相対的に急激な気温低下、低湿度となる場合です。こういうタイミングで肌荒れリスクが高まるので、日々のスキンケアの必要度の目安としてご活用いただければと思います。

―「寒暖差による肌荒れ」で、特に多いトラブル例はどんなものですか?

小池:多くなるのは「乾燥肌」「痒み」「ゴワゴワ、ザラザラといったお肌の手触りの悪さ」「化粧乗りの悪さ」などです。また、必須となっているマスクの中も季節ごとに湿度変化を繰り返しており、特に外気の温湿度が低い秋から冬にかけては、肌にとって過酷な環境となり、肌荒れに繋がりやすいです。

ぜひ「寒暖差肌荒れ指数」を参考にしていただきながら、できる限り肌荒れを起こさないよう対策をしていただきたいと考えています。

tenki.jp「寒暖差肌荒れ指数」

※上記指数は広く一般の生活者向けの情報であり、皮膚疾患等を予防する医療情報ではありません。実際の肌の状態は非常に個人差が大きく、低リスクは肌のトラブルが起きないことを保証するものではありません。

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