(株)ブルボン(柏崎市)が、新型コロナウイルス感染症の根絶を祈願する「アマビコ・アマビエの碑」を建立

除幕の儀(写真右はブルボンの吉田康代表取締役社長)

株式会社ブルボン(新潟県柏崎市)は、人的・社会的に未曾有の被害をもたらしている新型コロナウイルス感染症の終息を祈願するとともに、歴史的事実として後世に伝えるため、「アマビコ・アマビエの碑」を本社敷地内にある喜多仁神社に建立した。

23日、喜多仁神社の例祭の後、除幕式を行なった。

碑は御影石で作られていて高さ210センチメートル。碑文のほか、アマビコとアマビエの絵が刻み込まれている。

アマビコは、福井県立図書館が所蔵する「越前国主記」に、江戸時代後期の1844年に越後国の海岸に海中から現れたと記録されている。「自分の姿を書き写し、見るものは病から逃れることができる」などと記されていて、アマビエのルーツではないかとされている。

アマビエは、京都大学付属図書館が所蔵する江戸時代後期の瓦版に記述が残っており、1846年に肥後国の海中から姿を現し、「当年より6カ年の間、諸国は豊作だが、病も流行する。その時には私の写しを早々人々に見せよ」と予言したとされている。

アマビコ・アマビエの碑

一方、除幕式の終了後、吉田康代表取締役社長は、「業種によっては一瞬にして売り上げが“蒸発”した。(新たなウイルスの発生や震災など)こういうまさかというということが明日にも起こる可能性がある。そういうことを教訓として伝えていきたい」と話していた。

実際、1923年に発生し東京を中心に大被害をもたらした関東大震災により地方への菓子供給が途絶えた窮状を見て、「地方にも菓子の量産工場を」と翌年に柏崎駅前(現在の本社のある場所)で吉田吉造氏が創業したというブルボンでは、震災に対する事業などに積極的に取り組んできた歴史がある(碑の建立には、「災害や社会的困難が起きた時にはどんな状況下であっても役立つ企業であり続ける」という創業の原点を守るという誓いもあるそうだ)。

例えば、災害時に利用可能な菓子・飲料・食品では、他者に先駆けてペットボトル印象の小型化や、個食対応商品を開発。自動販売機事業(1997年にミネラルウォーター販売から始まった)、通信販売事業(1995年にミネラルウォーターの宅配サービスを開始。その後、1997年に米の販売を開始)も災害などを機に改良が加えられてきた。

また、阪神・淡路大震災、新潟県越沖地震、東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨などの自然災害に対し救援物資や義援金などを送っている。

このほか、昨年12月には新潟大学災害・復興科学研究所などと、適切に届かないこともある災害時の物資の配送ルートなども含めた物流に関する共同研究を行うことを発表している。

今回のコロナ禍でも、マスク不足が深刻化したが、今回、ブルボンでは11月から「100%国産の素材でマスク」(同)の生産を始めている。マスクは、現在、備蓄や自社での使用のみで外板はしていないが、食品関連メーカーへの販売や、自販機での販売も視野に入れている模様だ。さらに場合によっては、携帯型の消毒液の製造なども考えられるという。

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吉田康代表取締役社長(着用したマスクはブルボンが製造を始めたマスクだ)

(上写真2枚)除幕式の様子

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