各地でクラスター 第3波到来に広がる不安 @マレーシア【11月20日】

新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ

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▲手すりを自動消毒する紫外線殺菌機がつけられた商業施設のエスカレーター。 第3波到来に不安広がる

 マレーシア各地で新型コロナウイルスのクラスターが発生している。首都クアラルンプールでは14日、1日の新規感染者数が469人を記録した。そのうち460人は建設現場で発生したクラスターによるもの。保険相は同エリアと建設作業員が住む宿舎を強制ロックダウンすることも検討しているという。ロックダウンが実施された場合はエリア全体がブロック化され、付近の道路は閉鎖。外出は禁止となり、食料などは政府から配給される形となる。

 クアラルンプールの南側に位置し、工業団地を擁するヌグリ・センビラン州でも工場などでクラスターが発生した。また、経済地区であるセランゴール州でも感染者数の増加に歯止めがかかっていない。こうした事態を受け、両州ではソフトロックダウンを発令。州や連邦直轄領をまたぐ移動が禁止となったものの、法令を無視して摘発されるケースが後を絶たない。違反者には約2万5000円の罰金が課せられる。保険相は「ヌグリ・センビラン州は人口密度が高い地域だが、感染経路が追跡できているうちはさらなる措置を取る必要はない」とコメントしている。

 マレーシアではここ数日、1日の新規感染者数が1000人前後での推移を続けており、各地で感染者数が増加している状況に不安が広がっている。11月初旬にはボルネオ島北部のサバ州で感染者が急増。第3波到来かと危惧されたが、現在は少し落ち着きを見せており、サバ州の感染者数はマレーシア国内全体のうち68%から50%まで下がった。一方で、現在急増しているマレー半島での感染は自動車やゴム手袋の生産工場で働く労働者が多く、SOP(標準運用手段)を遵守していながら感染が広がっていることから、SOPでの感染抑制には限界があるとの見方もある。

 SOPは手洗い・うがいなど公衆衛生の保全に関するものから、罰金・罰則を伴うマスクの着用、ロックダウンの段階ごとの行動規制などが定められている新型コロナ感染拡大における行動様式の指標だ。これまでも最新の状況に合わせて内容を変更してきた。13日には国防大臣のフェイスブックで、連邦直轄領ラブアンのソフトロックダウン延長と一世帯あたりの外出可能人数を3人に変更することが発表された。このように、閣僚がSNSを通じて最新の状況に合わせたSOPの修正を行うことも少なくない。

 観光産業も深刻さを増す一方だ。3月のロックダウンで国境が閉鎖されて以降、観光客の激減で壊滅的な打撃を受けているといわれている。そんな中、観光客誘致でライバル関係にあるシンガポールで観光客の受け入れ再開が始まった。マレーシア政府観光局の公式フェイスブックでは「マレーシアに負けず劣らずシンガポールのビーチも最高!」と発信し、対してシンガポール観光局も「お互い安全に! 元気に!ありがとうマレーシア!」と投稿。コロナの影響下でライバルが互いを支えあう姿が共感され、1万6000件の”いいね!”を獲得、1万9000件のシェアを獲得し話題となった。