陶器に映える和装女性 出島発信のジャポニスム紹介

1914年にオランダで作られた和装女性が描かれた皿などが並ぶ企画展=長崎市、出島

 日本人女性が描かれた皿などを通して、出島が世界に発信した日本文化を紹介する企画展「ジャパニーズ・ビューティ うつわに描かれた女性たち」(長崎市主催)が出島町の国史跡「出島」で開かれている。国内外から陶器など80点を展示。1914年にオランダで作られた和装女性が描かれた皿は、日本文化が西欧で深く広まったことを示しており貴重という。
 1636年の出島完成以降、陶器や浮世絵などの輸出が発端となり、世界中で「ジャポニスム(日本趣味)」が流行。オランダ出身画家のゴッホなどにも大きな影響を与えた。海外製の皿など、展示品の3割はオランダの陶磁器研究機関から取り寄せた。
 会場にはほかに、佐賀県の有田で作られた陶器と、形やデザインがそっくりなオランダ製の陶器を比較展示している。
 観光で訪れた三輪倶弘さん(74)は、日本女性が描かれた皿を見つめ「日本にはないはっきりとした絵。西欧が日本に魅了されていたんだろう」と語った。
 来年2月23日まで。企画展は入場無料だが、出島の入場料が必要。

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