カステラの「福砂屋」優良企業認定 スマホ勤務管理で長時間労働削減

出退勤時間を打刻する専用アプリ

 長崎労働局は長時間労働の削減に取り組む本年度の「ベストプラクティス企業」にカステラ本家福砂屋(長崎市)を選んだ。同社は社員のスマートフォンを使って出退勤時間を管理できるシステムを導入。日々の勤務時間をリアルタイムで把握でき、長時間労働削減に向けて意識を高めている。
 システムは、社員が出退勤した際にスマホ内の専用アプリを立ち上げて打刻し、残業時間が自動的に集計される仕組み。これまで月末でないと把握できなかった残業時間は日々一覧化され、管理職は月の途中でも残業が多い社員に対して指摘が可能になった。衛星利用測位システム(GPS)を利用して打刻した場所情報を残し、不正打刻を防いでいる。
 2019年4月に導入。社員一人一人の意識改善につながり、19年度の残業時間は4.38時間に抑えたという。また、有給休暇の取得についても1カ月当たり2日前後取るように促しており、19年度の取得率は98.5%だった。
 長崎労働局の瀧ケ平仁局長が20日、同市川口町の福砂屋浦上流通センターを訪ね、同社の殿村育生社長らと意見交換。瀧ケ平局長は「(福砂屋を)参考に、他の県内企業も労働時間短縮に取り組んでほしい」と話した。

長時間労働削減に向けた取り組みを報告する殿村社長(右から2人目)ら=長崎市、福砂屋浦上流通センター

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