帝京大を退け優勝に光差す。次戦、伝統の明早戦へ

©早稲田スポーツ新聞会

明慶戦でまさかの敗北を味わってからおよそ2週間。11月18日に行われる予定であった日体大戦が不戦勝となったため、明大にとってはこの帝京大戦が久しぶりの実戦となった。これまでのゲームでスロースタート気味だった明大はこのゲームでも先制を許し、追いかける展開となる。しかし、ハーフタイムを経て迎えた後半に明大の様相は一転。後半開始直後に逆転するとその後も着実にトライを重ね、39―23でノーサイド。対抗戦優勝へ望みをつないだ。

両校共に4戦1敗同士の対決。明大はこれまでの試合と同様に、この試合でも入りに苦戦。前半開始2分に先制されると、ペースをつかめないまま時間が進む。15分には帝京大にPGを決められ、前試合である慶大戦と似たような展開となった。ベンチやコート内からは「我慢、明治」の声。しかし、ゲームを落ち着かせられない明大はハンドリングミスなどで何度もボールを失い、帝京大にトライを奪われる。それでも、前半23分にはスクラムからNO・8箸本龍雅が相手ディフェンスを引きつけてCTB児玉樹のトライを演出。さらに、試合終了間際には関東大学対抗戦(対抗戦)初先発のCTB廣瀬雄也が初トライを決め、19―23と未だビハインドながら、いいかたちで前半を終えた。

対抗戦初トライの廣瀬

ハーフタイムを終えると、明大の様子は一変する。メンバー2人を交代させると、後半4分にはWTB石田吉平が左サイドで起点となり中央のSH飯沼蓮へパスし、そのまま飯沼が独走トライ。加えて、この試合SOとして出場した森勇登のキックも決まり、逆転に成功する。このトライで勢いづいた明大は、後半28分にはまたも石田が華麗なステップで相手をかわして起点を作り、最後は途中出場のC T B齊藤大朗がフィニッシュするなど、徐々に帝京大を突き放す。セットプレーでは、成功率100%という安定性も見せつけ流れをつかんだ。33分にはSO齊藤誉哉がPGを成功。この得点により、点差を16点に広げ、勝負あり。39―23で試合を終えた。

トライを喜ぶ飯沼と石田

例年に増して混戦となっている今年の対抗戦。最終戦の結果によっては明大の優勝も十分にあり得る。明大にとって残すは伝統の明早戦のみだ。しかし、修正すべき課題は多い。残された期間で『試合の入り』という大きな課題を克服することができるか。昨年の対抗戦優勝校の意地とプライドを見せるためにも、誇り高き紫紺の戦士たちは次戦、赤黒軍団との勝負に挑む。

(記事 内海日和、写真 塩塚梨子、横澤輝)

田中澄憲監督

※共同記者会見より

――今日の試合についていかがですか

まずは本当に今日試合を出来たということですね。前回の日体大戦は中止になってしまって不戦勝となったので、本当に試合が出来たことをうれしく思います。結果的に勝ちはしたのですが、本当にどちらが勝ってもおかしくなかったと思います。特に前半はうちが試合に入りこめていないというか、半信半疑のような状態でプレーしていて。FWのスクラムやモールで取り返すことでもう一回明治らしさを出すことに繋がったと思うので、1つ越えたというか、成長できた試合になったのではないかと感じています。次回は早稲田さんとの試合があるので、自分たちが持てる力をしっかり出し切れるような準備をしたいと思います。

――今日のスターティングメンバーについて何か意図はあったのですか

いい意味でも悪い意味でも、まだ選手を固定できていない状態で。その中で色々な選手を試しながら、若い選手を成長させながらという部分が狙いです。毎週Bチームの試合などがあるのですが、そこでいいパフォーマンスを発揮すればチャンスがあるという競争力の部分も今年大切にしているので、そのような色々なことを含めて今日はこういったメンバーに決めました。特に意図はないです。

――メンバーが変わったことが前半の不安定さに繋がった部分はあるのか

それはあまり感じていません。慶大戦があって、負けるということは精神的に落ち込むというか、自分を疑ってしまうようなことに繋がってしまうと思うのですが、日体大戦に向けてしっかりと自分たちと向き合って準備してきました。しかしそれを中止によって出すことが出来なくて。その影響もあって今日帝京大に対して入りの部分で苦戦したのかなと思います。

――ハーフタイムでどのような話をされましたか

自分たちの力を出し切れていない、試合に入れていないと感じたので、自分たちがやってきたことに自信を持ってやり切るというところだけです。

――CTB廣瀬のパフォーマンスはいかがでしたか

1年生で初先発でしたが、遜色なく伸び伸びとプレーしていたと思います。

――体力的には不戦勝が優位に働きましたか

試合よりもきつい練習をしていました。なのでそれはないと思います。普段の積み重ねがゲームに繋がると思っていて、その積み重ねが明治の強みです。

――今後SOには誰が入りますか

森のSOもオプションの1つですし、齋藤誉哉、1年生の池戸(将太朗)もいます。今週末も帝京大さんと練習試合をするので、そこでの彼らのパフォーマンスも含めて決めていきたいと思います。

――早明戦に向けて意識することはありますか

特別なことはないです。僕たちはまだ成長過程にいるので、1つ1つ小さいことを積み上げていくだけじゃないかなと思います。

――シーズン序盤はスタメンでなかった選手(FB雲山、CTB齋藤大)のパフォーマンスはいかがでしたか

雲山は久しぶりの試合だったので、前半のキック処理という部分では不安定だったと思います。しかし彼の持ち味であるキック力はチームを助けてくれましたし、積極的なランもあったので、そういう部分ではよかったと思います。齋藤はボールキャリーの能力が高く、スペースもしっかり見ることが出来る落ち着いたプレイヤーなので、本職はCTBですがWTBでもプレーしてくれます。チームにとっては貴重な存在だと思います。

NO・8箸本龍雅主将

――今日の試合についていかがですか

チャレンジするというところを意識して挑みました。慶大戦からの反省を生かし、自分たちの強みであるアタックでどんどんチャレンジしたところミスはたくさん出ましたが、自信に繋がる試合になったと思います。次の早稲田戦ではしっかりと自分たちのラグビーをし今日の課題であった試合の入りという部分を修正して、いい試合をしたいと思います。

――ハーフタイムでどのような話をしましたか

前半入りが悪かったのですがやっている自分たちからすると全然焦りはなくて。慶大戦から修正してきたアタックは通用していたので、全部自分たちのミスからというところでポジティブに捉えていました。そこで後半に入る前に、自分たちのアタックというところ、ミスを無くせばスコア出来るというところを確認して後半に入りました。

――後半の序盤スクラムが良くなりましたが

自分が後ろから見ている中で、やはり1、2、3番のフレッシュな選手が前半を通して自信を持てたというところが一番変わったところだと思います。練習では上手くいかないことも多くあったのですが、前半を通して色々なチャレンジをしながらいいスクラムを組めたというところで、後半は本当に自信を持ってスクラムを組めていたので、選手たちにとってもいい経験になったのではないかと感じています。

――ブレイクダウンの部分はどのように修正されましたか

ジャッカルを多く前半にされたというところで、やはりアタックのセットが遅かったことやFWの動きながらのコミュニケーションというところで全員がオプションになれていなかったところが、相手の2人目に入られた原因だと感じています。動きながらのトークを練習で意識していたので、修正するためにもう一度トークしようということは意識していました。

――コロナの状況下でどのようにスクラムを作ってこられましたか

今年のスクラムはやはり時間が無かったと思うのですが、それは他のチームも同じだと思うので、例年と取り組み方は変わっていないと思います。去年の1、2、3番の先輩方が抜けて、そこで残っているプロップ、フッカーの選手たちが『明治はスクラムを強くしなければいけない』という部分で責任を持って、夕食後など空いている時間で集まってスクラムのことを考えるなどしていました。取り組みの中でプライベートの時間を使ってでもスクラムのことを考えていたというところで、今年の明治も戦えるスクラムになっているのではないかと思います。

――試合の中で意識していたことはありますか

DFの部分で、帝京大にはコンタクトが強い選手が多くいるので、そこでフィジカルで引かないようにすることと、しっかりと2人入るということを意識していました。ですが前半自分たちの入りが悪く、コンタクトで引けをとるという課題が出たので、勝ちはしましたが課題を修正して早稲田戦に繋げていきたいと思います。

SH飯沼蓮

――MOMを受けていかがですか

自分自身一番驚いています。ゲームコントロールとアグレッシブに隙をついて攻めるという点を意識していました。出来た部分と、DFで抜かれてしまったところなど反省する部分もあるので、勝って課題を修正して次戦に向けて準備したいと思います。

――ブレイクダウンの部分はいかがでしたか

慶大戦でもブレイクダウンの部分でプレッシャーを受けていて。それからしっかり練習を重ねたことで、次何をするかが明確に話し合えたので、前半ジャッカルされる部分はありましたが、その後はしっかりハーフとしては捌きやすいブレイクダウンが出来ていたと思います。

明大スコア帝京大

前半後半得点前半後半

33T40

21G00

01P10

00D00

1920計230

39合計23

チーム勝ち点試合勝分負得点失点得失トライ

早大2466002809518543

明大2065012397816137

帝京大16640243211831464

慶大1664022736920440

筑波大1263032181784031

日体大8620470289‐2199

明大早大帝京大筑波大日体大慶大青学大立大

明大*

早大*

帝京大*

筑波大*

日体大*

●0‐74

◯32-26

◯23‐21

慶大*

青学大*

立大*

※秩父宮は秩父宮ラグビー場、熊谷および熊谷Bは熊谷ラグビー場、帝京大Gは帝京大学百草園グラウンド、早大Gは早大上井草グラウンド、明大Gは明大八幡山グラウンド、上柚木は上柚木公園陸上競技場、大和は神奈川大和スポーツセンター競技場。