安保法違憲訴訟で証人尋問 軍事評論家の前田氏ら 長崎地裁

 集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法は憲法違反として、長崎県内の被爆者ら211人が国に損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が24日、長崎地裁(天川博義裁判長)であった。原告側の証人尋問で軍事評論家の前田哲男さん(82)=埼玉県ふじみ野市=は、安保関連法の制定で日本の専守防衛政策が実質的に放棄されたとして「知らない間に戦争に巻き込まれる危険性がある」と語った。
 原告の本人尋問では、元海上自衛官の西川末則さん(68)=佐世保市=が「もし外国で後輩が戦死したら『何であの時声を上げなかったのか』と悔やむはず」と述べた。被爆者の早崎猪之助さん(89)=長崎市=は「また昔のような暗黒な世界になるのでは」と不安を口にした。


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