犯罪被害者週間前にシンポ 他人事ではない支援を

犯罪被害者への支援について理解を深めたシンポジウム=長崎市築町、市市民生活プラザホール

 犯罪被害者の境遇や支援のあり方について理解を深めるシンポジウムが18日、長崎市内で開かれ、基調講演やパネル討論があった。
 高校生の時に飲酒運転の車に衝突されて大けがを負った、県立口加高講師の前川希帆さん(25)が基調講演。トランペット奏者だった前川さんは、演奏で重要な役割を果たす前歯を失い、「なんで私がこんな目に」と悔しい思いをした経験を振り返った。その上で「事故があったからこその出会いがあり、今の自分があると思う」と語った。
 パネル討論では、殺人事件や交通事故を事例に、求められる支援などについて意見を交わした。県警犯罪被害者支援室の岩木浩室長は、県内22署と高速隊の計約700人を被害者支援担当者に指定していることを紹介した。コーディネーターを務めた長崎犯罪被害者支援センターの前田和明理事長は「他人事ではなく、自分や家族が犯罪被害者になるかもしれないと置き換えて考えてほしい。何かあれば、まずは誰かに相談してほしい」と呼び掛けた。
 シンポジウムは25日からの犯罪被害者週間を前に、警察庁と県、県警、同センターが開催。約100人が耳を傾けた。

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