中国、初の月サンプルリターンミッション「嫦娥5号」打ち上げ成功 44年ぶりの月試料採取

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月探査機「嫦娥(じょうが)5号」が搭載された長征5号ロケット(Credit: CNSA/CLEP)

中国は、11月24日午前4時30分(現地時間)、月探査機「嫦娥(じょうが)5号」を打ち上げに成功しました。嫦娥5号は、中国最大のロケットである長征5号ロケットに搭載され、海南島にある文昌衛星発射センターから飛び立ちました。

今回のミッションでは、月面に着陸し、世界で3番目かつ44年ぶりとなる月の石や砂の採取と地球への帰還を行う「サンプルリターン」を行う予定です。中国国内のみならず、世界中の研究者や宇宙ファンの注目を集めています。

嫦娥5号とは?

嫦娥5号は、月のサンプルリターンミッションです。サンプルリターンとは、探査機が惑星や衛星へ行き、その天体の砂や石などを地球へ持ち帰るミッション形式のことを言います。嫦娥5号で行われるミッションでは、月の石や砂を採取し、地球へ帰還させて、試料を分析します。

月のサンプルリターンミッションは、1969年にアメリカのアポロ11号での採取、1976年に旧ソ連(ロシア)が行ったルナ24号のみとなっています。そのため、嫦娥5号は44年ぶりに人類が月の石を手に入れる記念すべきミッションとなる予定です。

ミッションの方法とは?

嫦娥5号は主に4つの部分で構成されています。着陸機、上昇機、周回機、帰還カプセルの4つです。まず、探査機は月の軌道へ入ります。その後、着陸機と上昇機が月面へ着陸し、着陸機が月からサンプルを採取します。約2mの穴をほり、2kgのサンプルを持ち帰ります。上昇機で月面から離れ、月軌道上に待機している周回機と合体して、地球周回軌道に向かいます。そして、カプセルのみが地球へ帰還します。

なお、着陸機は月の表側の「リュムケル山」に着陸する予定で、月のサンプルとしては非常に若い時代の試料が得られます。

嫦娥5号の着陸機(Credit: CNSA/CLEP)

ミッションのスケジュールは?

嫦娥5号の詳細について公式には明らかにされていません。一部の報道では、月への到着は11月27日ごろとなっており、地球への帰還についても12月17日の予定です。多少前後する可能性もあります。

嫦娥ミッションの歴史

ミッション名である「嫦娥」とは中国の神話に登場する月の女神のことです。これまで嫦娥ミッションは1号から4号まで行われています。

嫦娥1号は2007年、嫦娥2号は2010年に打ち上げられ、月の周りを探査をする「周回機」が観測を行いました。
その後、嫦娥3号が2013年に打ち上げられ、月面ローバーを月の表面に着陸させました。月面に探査機が軟着陸したのは実に37年ぶりでした。
また、2019年には嫦娥4号が世界で初めて月の裏側へ着陸し、月面ローバーが探査を行いました。月の裏側の映像を地球へ送信し多くの人を驚かせました。

中国は将来月面基地を作り、人を着陸させる計画もあるとされており、2024年に再び月面着陸を目指すアメリカとの競争が一層盛んになるとの見方もあります。

Image Credit: CNSA
Source: Space News, SpaceFlight now
文/出口隼詩