河北抄(11/25):シカやイノシシとの衝突に、落ち葉によるス…

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 シカやイノシシとの衝突に、落ち葉によるスリップ-。発車の遅れや途中停車は、野趣に富む山間部を往来する路線の宿命と分かっていても「またか、今日もか」とブツブツ言ってしまう。

 秋が深まるにつれて、JR仙山線は遅延が頻発する。単線のため上下線が共に遅れてしまう。朝の通勤時間帯は、他の在来線の遅れに伴ってダイヤが乱れることもしょっちゅうだ。

 動物が原因の輸送障害は、JR東日本の管内で2019年度は1345件あった。前年度より179件多く、本年度はさらに増えそうだという。温暖化で野生動物の活動範囲が広がっているためだ。

 「地球の気温が上がれば、動物が列車を止める。因果関係は遠いようで近い」などと動かない列車の中であれこれ考えていると、空っ風が吹き込んでくる。

 新型コロナウイルス感染予防のため、停車中のドアは全開。朝晩の気温が下がり、長い停車はしんどくなってきた。「地球が暖かくなると、列車が止まり、車内が寒くなる」。もうこの日常に慣れたと、マスクを着けたやせ我慢が続く。