コロナで一時給料3割減をどう乗り切る?積み立て投資はストップするべき?

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読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。
今回の相談者は、35歳、会社員の女性。新型コロナウィルスの影響で一時的に給料が3割減ってしまうという相談者。老後のために積み立てているつみたてNISAやiDeCoも一時ストップしようか迷っているそうです。収入減にどのような方法で対処すればよいでしょうか? FPの秋山芳生氏がお答えします。

給与が来年3月までの間30%カットされる事となりました。

コロナの影響で大打撃を受けている業種のためやむを得ないと思いますが、生活が大変厳しくなります。減収中は現金預金で足りない生活費を補填すれぱ生活はできるかと思いますが、毎月老後用に積み立てているつみたてNISAとiDeCoを一旦ストップすべきなのか迷います。なお、会社に減収中の副業について問い合わせましたが、副業は禁止とのことです。

アドバイスをお願いします。

【相談者プロフィール】

・女性、35歳、会社員、未婚

・同居家族について:独り暮らし

・住居の形態:賃貸

・毎月の世帯の手取り金額:21万5,000円 →3月まで13万の予定

・年間の世帯の手取りボーナス額:60万円(←コロナ前。今年は夏の20万のみ)

・毎月の世帯の支出の目安:16万5,000円

【毎月の支出の内訳】

・住居費:6万2,000円

・食費:3万円

・水道光熱費:8,000円

・保険料:9,000円

・通信費:5,000円

・車両費:1万1,000円自動車保険と車検代の積み立て

・その他:4万円医療費、被服費、雑費、小遣い含む

【資産状況】

・毎月の貯蓄額:つみたてNISA1万5,000円(+ボーナスから20/年)、iDeCo2万3,000円、現金貯蓄0

・現在の貯蓄総額:600万円

・現在の投資総額:170万円

・現在の負債総額:0円

・ボーナスからの年間貯蓄額:20万円


秋山:ご相談いただきありがとうございます。ファイナンシャルプランナー兼FP YouTuberの秋山芳生です。

コロナ禍で勤め先の経営が悪化し、給与が30%カットされてしまうのですね。また、副業も禁止されているとのこと。どのような手が打てるのかを一緒に考えていきたいと思います。

当然の話ですが、収支を改善するためには、「収入を増やす」「支出を減らす」ことになります。まず、支出を減らすためにできそうなことから考えたいと思います。

一人暮らしの保険、そんなに必要?

一番に気になるのが保険です。現在加入している保険に9,000円を支払っていますが、どのような保険に入っているでしょうか。現在は独身で、貯蓄が600万円あるので、医療保険も入っても必要最低限、死亡保険なら必要ないように思います。

健康保険に入っていれば、高額療養費により、月の医療費の上限は8〜9万円程度だと思います。がんになっても100万円ほどの資産があれば、一部の先進医療を除けばだいたいの治療に対応可能です。

がんや、病気になったら怖いという感情から保険に入る方が多いですが、保険に入ることで罹患リスクが下がるわけではありません。むしろ保険を解約して貯蓄していたほうが、現状のような緊急自体では良い場合もあるので、再検討してみましょう。

通信費はキャンペーン開催中の会社を利用するのも手

続いて通信費の「5000円/月」は高すぎるというわけではないのですが、現在、1年間無料で使えるキャンペーンを行っている会社に乗り換えれば固定費の削減になります。乗り換えの際に現在使っている携帯電話の解約違約金が発生するかもしれませんが、現在の通信費5,000円×12カ月分の6万円が浮くことになるので、一考の余地があるかもしれません。

また、その他の費目に4万円ほどの支出があります。医療、衣服美容、雑費、小遣い、交際費などと思いますが、医療費はしかたないとして、その他の費用を削れば1万円ほどは支出改善ができそうです。現在の状況を緊急事態と考えて、変動費をコントロールできると良いですね。

投資は苦しい時に続けられるかで差がつく

投資にまわしているお金を止めるべきかどうか。現在はつみたてNISA1万5,000万円と、iDeCo2万3,000円を毎月積み立てていますね。もちろん、投資は止めることや積立を減額することは可能です。ただし、せっかくの非課税で運用できる枠を使わないのはもったいないので、できれば貯蓄を取り崩してでも運用を続けられたほうが良いと思います。

投資の基本は、厳しい時期に投資を続けられるかどうかが、将来大きな差になって返ってきます。減額や投資を止める癖がついてしまうと、将来的に大きな資産を築くことができません。ここは、上記の手段をフル活用して乗り切りながら、続けたいですね。もし収入の中から拠出することが難しければ、貯蓄している600万円からスライドさせるのを検討してみてもいいでしょう。もちろん、600万円の現金貯蓄を直近で使う予定があれば、計画的に期間を決めて毎月の積立額を減らすなどで対応しましょう。

長期的な視点から転職も視野に

もしこのまま会社の状況が厳しく、減給だけでなく、いつ倒産してもおかしくないのであれれば、転職を検討してみるのも必要になってくるかもしれません。新型コロナウィルスは長くはびこっていて、今のところ回復の目処が立っていません。自分の身は自分で守るためにも、転職の検討は選択肢にいれてもいいかもしれません。

転職される際は、複数の転職エージェントに相談し、本当に親身に動いてくれる担当に出会えるまで2、3社は相談しても良いでしょう。

採用者から見た面談のコツ

私自身、FPの傍ら、事業会社で役員や管理職も行ってきているので、採用面接は数え切れないほどしてきました。ここからは採用する側の視点を交えて、面談のコツを数点お伝えできればと思います。

1)事前に準備する
面接の会社の業態を、HPやWEBの記事などからしっかりと理解することが重要です。その上で、自分がどのように会社に貢献できるかのイメージを持ち、会社や業務の課題をどのように解決できるかを伝えることが一番重要です。このイメージをもたずに面談を受けると、かなりぼやけた印象が残り、うまくいきません。仮説でも良いので、どのような仕事内容かを想像し、面接の中で確認しながら自分が貢献できるポイントを伝えるようにしてください。

2)愚痴に聞こえないように話す
転職をする場合、多かれ少なかれ現職への不満があると思います。ただし、面接では不満や愚痴は禁物です。愚痴が多いと「仕事がうまく行かなければ、他責にしてネガティブに振る舞うのではないか」という懸念を相手に与えかねません。今回のケースでは、前述の準備で前向きな転職の理由を伝えるとともに、コロナ禍による事業縮小の為給料が激減し、やむなく転職を考えているということを伝えると良いでしょう。特にコロナ禍での減給という致し方ない状況は、同情も得やすいので伝えて良いと思いますが、ネガティブに伝わらないよう心がけましょう。

3)入社したいという意思を伝える
入社したいという意思と理由が伝わるかどうかが面談で重要なポイントになります。入社したいかわからないが、なんとなく話を聞きに来ましたというスタンスでは、受かるものも受かりません。先の内容と重複する部分もありますが、なぜ入社したいのかをしっかりと伝えられるよう、事前の下調べていきましょう。最後は、本当に入社したいと思えるかどうかを自ら意思として持ち、その意志を論理的に伝えられるかが重要です。

細かい点は他にも色々とありますが、上記は面接前に意識してみると良いでしょう。転職すること自体は悪いことではありません。むしろ、100年時代という長い人生の中で、環境の変化に合わせてしなやかに仕事を変えていくことは、非常に重要なポイントです。

大変な環境と思いますが、支出を減らすとともに、逆境に負けないしなやかな選択ができると良いのではないでしょうか。以上、参考になれば幸いです。応援しております。