沖縄への観光客 来年度の目標は700万人 コロナ回復へ取り組み強化 OCVB発表

 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、下地芳郎会長)は25日、2021年度の入域観光客数について、700万人まで回復させるという目標値を発表した。ワクチンが開発されて新型コロナウイルス感染症の影響から徐々に回復することを想定し、370万人にとどまると見込んでいる20年度の2倍近くまで伸ばす方針だ。具体的な数値を示すことで、回復に向けた取り組みを強化する狙いがある。

 700万人の内訳は、国内客が670万人、海外客が30万人となっている。946万9200人だった19年度と比べると、約7割まで戻ることになる。

 国内市場は感染拡大防止策と両立した観光が定着することや、政府の国内観光支援策「Go To トラベル」が、21年6月ごろまで延長されることなどを想定して、プロモーションに注力して19年度並の水準まで回復させることを目指す。

 海外市場はワクチン開発による移動の規制緩和などを見込む。国際線は来年3月に台湾路線を念頭に、運航再開を目指している。台湾路線が再開できれば、7月に韓国とシンガポール、9月に香港、11月には中国本土の路線再開に向けて動いていく。ビジネス客から渡航を緩和するなど、条件付きでも運航再開できるよう政府などに求めていく。

 OCVBは今後、鉄道会社と連携して主要駅での広告掲示などを実施する。沖縄への修学旅行を中止した学校に次年度の実施を求め、検討中の学校には実施を依頼することで、年間40万人以上の修学旅行誘客を目指す。

 下地会長は「(現状と比較すると)高い目標ではあるが、沖縄観光の実力から言えば不可能ではない。ようやく回復基調にきている。この流れを止めないよう誘客に取り組みたい」と話した。

© 株式会社琉球新報社